2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧
「お願いです。この子を助けてください。フォレストの力で生き返らせてほしいのです。まだ三つ、余りにも死ぬのは早すぎます」 「そうは言われてもな。フォレストにもできることとできないことがあるんだよ。だいたいさぁ、病死だろうと事故死だろうと戦死だ…
「カシオネ?学校生活は大丈夫?」 「大丈夫だよ?なんでそんな事を聞く」 「会うごとに顔が厳しくなってる。学校、辛い?問題起こしてない?」 「そんな風に見えるか?」 「隠そうとしてるみたいだから何もいわなかったけど今日は険しすぎる」 ミラーを抱き…
「きてない?何ヶ月だ?」 「もう4ヶ月になる」 「嫌だろうけどフォレストの産婆にちゃんとみてもらおう」 「…うん」 ミラーが21歳になったばかりの頃だった。産婆に見てもらうのはいい。だが男も女も遠慮なく覗きにくる。隠すカーテンもない。そんな状態で…
九年生になろうとする夏。フォレストから一度もカシオネは帰ってこなかった。課題が難しいものになっているのだろう。それは容易に想像ができたが、ミラーにとっては寂しいものだった。最終日の深夜、カシオネが戻ってくる。起こすべきか寝かせておくべきか…
五年生になって二人は狩りを始めた。毎回ではないが、土曜日の休みを返上して狩りに行くことも、日曜日の錬金術の変わりに狩りに行くこともあった。ミラーは一匹一匹教わる。生物の必要部位、弱点、倒し方、探し方に習性、覚えることは多かったが覚えないと…
三年になると基礎魔法でも決闘が始まる。ミラーとカシオネの強さは桁違いだった。草原での実践と図書館で仕入れた知識がものをいう。いつも前に突き進んでだ二人はここでやっと手加減というものを知る。手を抜くことじゃない相手の強さにあったレベルで魔法…
じーっとカシオネとミラーを見ている少女がいる。二人は仲良く寄り添って寝ていた。昼間から裸で寄り添って寝られているよりはいいが、せっかく休み返上でフォレストに帰ってきたのに起こしていいものかサリューナは、はてと困っていた。しかし時間がない。…
放り投げる7色玉…途中で爆裂する。 「何!玉の破壊魔法なんて簡単には…」 「光よ包み込みし敵を滅ぼせ」 「闇よ光を打ち消せ」 同時に投げられる玉。 「透明無風の結界が二人を包む」 「風よ結界を打ち消せ…消えない」 「無駄だ加護の封じ結界…これを使える…
噂はあっという間に広がった。教室に入れば人殺し、人殺しの連呼だ。それも先生がくるとピタリと止まる。 「何故、ミラーは人殺し呼ばわりされているんだ?知っているものがいるなら答えろ」 と先生。そんな話が三ヶ月も続くとただの噂ではすまされなくなる…
六歳の冬休み、始めて家への帰宅。ミラーは途方に暮れていた。家に帰っていいものだろうか?あんなに脅えてる両親の元へ。 時代は変わっていた。人間界でも魔法を使うことが許され、魔法使いたちが一種の集落を作り暮らすことができるようになっていた。魔法…
カシオネとミラーは12年生になっていた。この頃になると口付けが習慣化していて、周りが見惚れる様な口付けといったらいいのだろうか、二人の口付けは周りを圧巻させるような感じだ。正確にはカシオネの口付けはなのだが。ミラーの方はやっと少し応えられる…
七年生になってやはりミラーの初潮は始まった。ミラーにとっては嬉しいできごとだ。人より随分と遅れてきたのだ。冬休みも過ぎる頃になると口付けをするカップルぐらいでてきた。まわりで何していようがカシオネは平気な顔してる。考えてみれば11歳。好奇心…
「ミラー、私達チーラに食事一緒に食べようって誘われたんだ。ごめん。ミラーを一人残しちゃうけど行っていい?」 「いいよ。ミラーは平気だから。それより良かったね。魔法使いの友達やっとできて」 「うん!ありがと。いこーか」 ミラーは人間だ。近い血筋…