勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 転生編 7-2

三年になると基礎魔法でも決闘が始まる。ミラーとカシオネの強さは桁違いだった。草原での実践と図書館で仕入れた知識がものをいう。いつも前に突き進んでだ二人はここでやっと手加減というものを知る。手を抜くことじゃない相手の強さにあったレベルで魔法を使っていく、だから遠慮の要らないミラーとカシオネの対戦は他の生徒からは別次元であり、見本のような存在だ。先生も感歎の声をあげる。だけど二人は満足していなかった。魔力さへあれば、もっと高度な魔法が使えるくらいの学習はしていた。二人は三年でも確実に実力と知識をつけていった。




この頃になると水泳大会もミラーたちが始めて生まれたときとは随分違うものになっていた。そもそも兄弟学年がない。男女別れての総合競争と言うべきか、Uターン地点にある白いカードを持って早く上がって来た者が勝ちとなるとっても単純なシステムだ。ただし7年生以上は水泡草を口にして潜水をしてカードを取ってこなくてはならないのは変わっていなかった。変わったのはミラーの体だった。一年からカシオネに鍛えられた体はミラーの水泳への苦手意識を消していた。もちろんこの水泳大会に向けて水泳の訓練もした。だがこの年の大会は最悪のものとなった。最初は暑いくらいの天気だったのに風が吹き始め、雨まで降ってくる。雨がバケツのように降り出すと警告音…中止の知らせが鳴る。先生がいくつものビニールボートを持ち出し箒にくくりつけ、生徒を迎えに行く。警告音は水の中まで鳴らされたので上級生たちも浮かんでくるが、風がつよく流されるものも多い。技術魔法の先生と攻撃魔法の先生はそんな流された生徒達を拾い上げ風の結界に放り込み陸地まで誘導した。カシオネも警告音が鳴った地点でミラーを探し出した。クラスでも前から一番目の身長しかないミラーは食も細く大きい方ではない、というか小さい。濁流にでも飲まれたらひとたまりもないだろう。そしてその予感は的中した。やっと手を取ったと思ったら、二人して巻き込まれる。壁にぶち当たり、壁を頼りに泳いでたら洞穴があった。大人四人ほどしか入れないような小さなものだったが、丁度いいので休むことにした。何よりミラーは気を失っている。人工呼吸をを何度かしてみると水を吐き出しケホケホして目をさます。
「人間の知識が魔法界に入ってきて良かったと思う一例だね。大丈夫かい、ミラー?」
「ここは?」
「わからない。もうじき陸地だと思うんだけど穴があったから非難させてもらった」
水着を乾かし、二人で外を見ている。
「すごい風と雨だね…死人がでそう」
「でるだろうね。実際ミラーは僕が見つけてなければ死んでたよ」
「うん」
「でも…ここなら誰にもみつからない。いい隠れ家だ」
そこで二人は夜を過ごした。朝になると小雨は降っているものの、風は止んでいた。
「行こうか。もう少し泳げば陸地だと思う」
「うん」
二人は壁沿いに添って泳ぐ10分ほど泳ぐと陸地が見えた。
「ミラー!、カシオネ!君だっけ?よく無事で一晩過ごしたな」
人間学の先生。カシオネが
「途中、二人がどうにか入れる穴を見つけてやり過ごしました」
「そかそか、とにかく無事で良かったよ。まだ見つからない生徒もいてな。水の中も捜索してるんだが」
「僕も手伝いましょうか?泳ぎは得意ですし」
「いやいや、生徒にさせるわけにはいかん。それなら君たちにここを任せて俺が行くが学校に帰って体を温めることだ。まだ降ってるしな」
「じゃあ、学校に帰ってます」
そう言ってそこを後にした。結局六名の生徒が見つかって四名の生徒の死体があがり、二名の生徒は行方知れずのまま家への帰還となった。




フォレストに帰ると容赦なく錬金術の課題がだされる。二日遅れて帰った分を取り戻す様に言われ学生達の錬金術は困難を極めた。その中で一番必死だったのはカシオネだったが、さすがに二日分の遅れを取り戻すのは厳しかった。錬金術は早ければいいというものではない。どうしても必要時間がかかるのだが、それでも一時間遅れで三日分の課題を寝ずにこなした。だが父親は容赦なかったミラーの髪の毛を持ち上げると、見事に切り落とし背中を焼いた短剣で切り裂いた。
「ミラー!」
ミラーは気を失った。
「いい大人のすることじゃないわね」
と長女がでてくると、短剣を捨て父親はどこかに消える。父親と言えども長女には逆らえない。彼女はそれだけの実力を術と錬金術と占術ともに有していた。長女とカシオネで治癒魔法をかける。傷は治っても盛り上がった皮膚と火傷の跡は残った。その夏休み長女はある屋敷に連れて行った。りっぱな工房があるが開かない。
「魔法の鍵がかかってるわ。合言葉がわからないの。きっとカシオネなら見つけられるわ。冬からミラーをここに置いて来なさい。寂しいでしょうけど父親の機嫌を今より損ねるよりはいいわ。仕舞いには殺されてしまう」
「ここは…ねえさんの家?」
「そうよ買っておいたのだけど肝心の工房が使えなくてね。眠っていたの。どうしても扉が開かなければもう一つ工房を建てるしかないけど…学生の間はカシオネはフォレストに戻りなさい」
「ミラーを一人置いとけって言うのか!まだ四年だぞ、ねえさん」
「今日みたいなことが起きるよりはましでしょう」
「しかし」
「大丈夫だよカシオネ。赤ん坊の頃こそベビーシッター雇ってたみたいだけど三つになるころには自分でパン焼いてミルク温めて一人で食べてた」
「なんだよ、それ三食か…」
「ないときは水だけだったけど…」
「…食も細いわけだ。金を貸してくれねえさん。大人になったら稼いで返すから」
「返す必要はないわ。ただしフォレストの召集には必ず応じる事。お金は化粧台の椅子の上にある金庫にいれてある番号は……」
「ミラー、一人で買い物行けるか?ここから飛ぶのはキラシュ村だ方角は…」
「わかった目印なしで町と家とを往復するのは初めてだけど頑張る」
「後は工房か…」
工房に行きいくつもの単語を並べるが当然開かない
「僕は錬金術が好きだ…俺は錬金術が好きだ……愛してる…ミラー、愛してる」
カチャリと音がするノブを回すと開いた
愛する人の名前がキーかミラーがキーなのか?」
とりあえず掃除さへすれば使えそうだ
「暇だから休みのときに掃除しとくよ」
「頼む」
そう言って扉を閉めるとまた魔法がかかる。
「ミラー、開けてみて」
「カシオネ、愛してる…駄目ね…ミラー、愛してる」
カチャリと音
「ミラーがキーか前の工房の主の伴侶もミラーって言うんだな、きっと」




そして学校生活が始まる。四年生になった二人は選択科目を選ぶ。カシオネは錬金術、薬学、幻術、攻撃魔法。ミラーは攻撃魔法、技術魔法、幻術、魔法言語。
「言語はいらないんじゃないか?」
「喋る分にはね、細かい魔法指定と早掛けにはまだ足りてないの」
順調に進んでいくと思った四年の生活は変なところで躓く。その年は雨の多い年でなかなか運動もできずに困っていた。土曜の休みの日も雨で空き教室を使って二人は休んでいた。抱き合って眠っているとカシオネは蹴りおこされる。
「餓鬼、何年生だ?俺らは12年生だ。年の差がわかるな?何年生だ」
「四年だよ。魔法じゃ勝てっこないからでてけって言うんだろう?」
「お利口だ」
「ミラー、ミラー起きて部屋出るよ」
「んーカシオネ?」
「カシオネ?餓鬼、カシオネ=フォレストか…フォレストなら訳が変わるな」
そう言うと12年生がいきなりカシオネを蹴り始める。女がクスクス笑い。ミラーが男の足にしがみついて
「カシオネが何したのやめてよ、やめて!」
そうすると今度はミラーを振りほどきミラーを蹴り始める。
「やめろよ!ミラーはフォレストじゃないだろう!」
今度はカシオネが身を挺して庇う。
「一緒に寝てただけあって仲がいいことじゃないか。女でもいいんだよどうせ未来のフォレストを産む餓鬼…そうだな餓鬼なんだよな。いいこと思いついた大人にしてやるよ俺たちが手ほどきしてさ」
ミラーをひっぱってきて男が口に手を突っ込むと舌をひっぱりだしてくる。
「この舌にだ良く見てろよ」
「風よ一人に雷を落とせ」
とカシオネ。女が慌てて倍速呪文で
「風よ雷を消せ」
とかける。男がカシオネに蹴りをいれる。
「だから餓鬼が魔法で勝てるか。大人しく見とけばいいんだよ」
「嫌だ!お前に唇一つ触れさせるぐらいなら自分で抱く。俺だって女の抱き方くらい知ってる!」
「へー悪名高いフォレストは10歳の餓鬼でも女の抱き方知ってるとさ」
「ミラーこっちにおいで。俺は今から君を傷つけるけど受け入れて欲しい」
ミラーはカシオネの方に走っていく。
「怖がらないで受け入れて…こんなにはやく経験させるつもりはなかったんだけど…唇の力抜いてて、舌が入るからごめんね」
そう言うと唇を割って舌が入っていく口内を舐め回し舌が舌に絡まる。
「もっと大胆に口付けさせろよ。舌をださせるんだ。見えるところで、絡ませるんだ。女にできるかな」
とニヤニヤ笑う。ミラーは舌を口から伸ばしカシオネに近づける。後は絡み合うだけだった。男の言われるまま見える外で舌を絡め唾液が滴り落ちる。ミラーの舌が引っ込むと追いかけるようにカシオネの舌はくちに吸い込まれ唇を吸われ
「もう一度おいで」
言われるままに舌を出し絡めていく。激しい口付けが繰り返される。それがふっと止まる。ミラーが怪訝に思い声をかけようとすると、口を押さえられ、男のほうをみると向こうも激しい口付けを繰り返していた。今のうちにと二人で扉に向かうと
「逃げるなら女置いてけ。おもちゃにしてやる。それもフォレストのやり方だよな」
仕方なく中央に誘い口付けからまた始める。違うのは今度は服を脱がされていくことだ。
「カシオネ?」
「お前を抱くよ。覚悟だけして」
ミラーは目をつぶり開く。
「はい」
口付けが首をはい始める。ない胸が手でもまれる。震えだすミラー。おもわず抱きしめるカシオネ。
「い、痛いカシオネ」
「あ、背中の傷」
カシオネは傷口に指を食い込ます。
「ひっ、っつ、い、た、い」
痛さのあまり涙があふれだすミラー。
「綺麗だ綺麗な涙だね。感じるよ。俺、すごく体が熱くなる」
そう言って涙を唇でぬぐう。そっと床に置き乳首を苛め始めるカシオネ。まだ早すぎるミラーには痛みと共にしか快楽が来ない。それでも小さな喘ぎ声がもれる。ピンピンにはれた乳首を爪ではじきながら唇は下に向かうショーツをはがし、両足を持ち上げるカシオネ。舌はミラーの大事な部分を器用に向いていき愛撫する。
「痛いよ、カシオネ」
「うん、だろうね。早すぎる経験だし初めての経験だから」
といいつつ愛撫を続ける。
「あっああああっ」
体がびくびくんと痙攣する10歳の体でもいくのだとカシオネは思った。そのまま膣に舌を忍びこませる。蜜があふれだす。
「へーっ、さすがフォレストだな。女の扱い方を知ってる。後は俺が変わってやる。お前の小さなものじゃいけねぇだろう」
「いやだ!ミラーは俺のものだ!他の男にはやらない。だいたい大人のものを受け入れるほど育ってない」
そういうとカシオネは自分の下半身をさらす。
「ふーん。餓鬼のわりには立派なものおっ立てているじゃないか。中でいくまで抜くんじゃないぞ」
「どうせミラーの初潮は来てない」
そう言うとミラーの中に入れていく。
「あ、あああ、カシオネ…」
「ごめんね」
そして動き出す。
「あん。あああ、んんくっ、ああああっ、カ、カシオネ…」
「俺もう、いっちゃった。中に放たれたのわかった?」
「……うん」
「先輩、これでいいだろう?俺たちは消えるよ」
「ふん、おもしろくない餓鬼だな。本気で犯しちまうとは、どうでもいいのかその女」
「逆だよ。他の誰にも触らす気はない。こいつを傷つけていいのも俺だけだ」
と言うとミラーをつれて教室を出る。
「カシオネ、僕から俺になってる…」
「ああ、虚勢だよ。だけど記念日だ。このまま俺でいよう。本当はもっともっと大事に育てて結ばれたかったのに…もっと大人になったらまた抱いてやる。感じ方全然ちがうはずだから…」
そうして口づけをする。触れるだけの口付けだ。
「手順まで台無しだ…俺に力がもっとあったら、フォレストってだけで苛められることもないのに」
「でも途中で顔つきが変わった…背中触ったとき…」
「ああ」
ミラーを抱き寄せ
「これだろう」
と傷口に食い込ませる。
「うん。服の上だから、まだ声出せるけど、さっきは声にもならないほど痛かった」
もっと強く手が食い込んでいく。
「カシ…オネ痛い」
「その顔が、その声がいい。ぞくぞくする」
「カシオネ人が変わるみたい…」
と痛みに耐えた涙を払う。
「うん。俺も今そう思ってる。嬲るの好きみたいだ」
「なぶる?」
「意地悪い事をすることかな。結局俺もフォレストの人間ってことか…」
ミラーが首を振る。
「カシオネが意地悪でもフォレストに染まってるからじゃないわ」
そしてミラーの初潮はまもなく始まった。




始めて一人の家で暮らすことになった。ミラーはまず工房の掃除から始めた。蜘蛛の巣をとりすすを払い、入れ物や測量器を綺麗に吹きあげたり洗う。火が通ることを確認して…お昼ご飯にする。午後は体を少し動かそう。光の術の訓練をしておきたい。四年から錬金術が決闘で使用可能になってからこっち、カシオネに連敗続きなのだ。カシオネの持ってない切り札と言ったら光の魔法しか思いつかなかった。他にも細かい差はある。ミラーは光を中心に風と土を得意とするのに対しカシオネの属性は土で土と水と心を得意とする。夜になり眠ろうとするが眠れない。カシオネはどうしているだろう?そう思っていると人の気配がする杖を持ちベッドから降り、入り口で構えるあれ?この気配は扉の鍵が差し込まれる前にミラーは扉から飛び出しカシオネに抱きつく。
「嬉しい歓迎だけどね。気配を真似る方法はいくらでもあるんだよ。本人確認するまで鍵は開けては駄目だからね」
「ごめんなさい」
精神安定剤貰いに来た」
「それ作るのカシオネでしょう?」
「俺の精神安定剤はミラーだよ。一緒に寝たくってきた。明日の朝早く出るからとっとと寝よう」
「うん。私も眠れずにいたところ」
ベッドに入る二人。
「口づけいい?」
「うん」
二人は軽い触れるだけの口付けをして眠りに入った。ミラーが起きるとカシオネは居なかった。次の日は期待して待っていたがさすがに来なかった。この休みに来たのは三回だけ。その三回目は休み最後の日で荷物をまとめて来ていた。来たのも深夜だ。でもカシオネの気配で目を覚ますとその日は何も言わずに口づけがきた。しかも舌を絡めてくる必死だった。教室と違いミラーはかなり遠慮がちだったが応えていた。唇が離れると真っ赤になる顔。今度は触れる口づけをして
「お休みと言われた」
ドクンドクンいきなり高鳴った心臓はカシオネの腕の中で沈んでいく。そのまま眠りにつき次の日は学校へ直行した。




四年の後半は冬休みに特訓しただけあって、ミラーの光の魔法は俄然実力アップした。カシオネの錬金術をどうしたらいいかも研究した。手元に届く前に割る高度な魔法だがミラーは習得していた。防御魔法を同時にかけなければ負けるがダメージはカシオネにもいく。もっともカシオネも防御魔法の早掛けでしのぐ。両者引き分けで終わることが多くなった。カシオネは褒めてくれると同時に強くなる。ミラーに負けないように必死で追いついてきていた。それと変な癖がついたひと目が無くなると抱きしめて制服の中に手を入れ傷跡を結構な力でなぞる。ミラーはカシオネにしがみつき必死で痛みに耐えるが、痛みにより声がもれるのと涙が浮かぶのはどうしょうもなかった。そしてその後は熱い口付けをしてくる。そんな半年が過ぎて、とりあえずフォレストへ来いとひっぱられていくミラー。正直、父親と顔を合わすのは嫌だったがミラーにとってカシオネの言葉は絶対だった。
「ねえさん、相談がある。ミラーの背中治ってない神経が露出してる。ミラー上半身裸になってベッドに寝て」
「触るわよ。耐えてね」
と長女。
上下に押さえるように撫でていたかと思うと、上からかなりの強さでトントン叩いていく。あまりの痛さにミラーは途中で気を失った。
「三本神経が露出してるわ。かなりの痛さでしょうね」
「俺個人には面白いんだがミラーには気の毒だどうにかならないのか?」
「おもしろいって本質がもう表れたの?傷跡を治す薬は有るけどこれは神経が3つの束になって入り組んでる。恐らく父親は苦しみの剣を使ったんだわ。神経を麻痺させるか。取ってしまうかでも背中だからどちらもとても危険よ。痛みを和らげることはできると思うけど」
「痛みを和らげるだけでいい。戦えなくなったらミラーは存在意義を失う」
「そうね、カシオネと一緒に暮らすために身につけているスキルだものね。薬学の長老呼んで来るわ。ところで急になんで目覚めたのなりを潜めてたのに」
「何が?」
「サディスティックなところよ。小さい頃からあったの。でもミラーと知り合ってからは消えてたのに」
「抱いたからかな…」
「まだ10歳でしょう」
「12年生に嗾けられて仕方なく。そうしないとミラーが滅茶苦茶にされそうで…」
「…フォレストだから…」
「そういうことらしい」
「貴方には普通の男の子として育って欲しかったのに…」
「ごめん。ねえさん」
「仕方ないわフォレストに生まれた定めだし、生まれ持った貴方の本質だわ」
そういうと長女は消える。治療は想像を極めた。特殊な薬を使いながら神経を一本一本ほぐし奥に押し込んでいく。ミラーは痛みで目覚め、気を失いの繰り返しだった。父親が来て様子を見てる。老婆がいう。
「お前さんはいつからこんなに残酷になった。今時拷問にも使わん剣だぞ」
「それがどうした。邪魔なものは排除する殺さなかっただけでもましと思え、お前達のミスだ。治癒魔法さへ使わなければ、あのまま楽に死んでいけたのだからな」
「おやじ、ミラー死んだら俺も死ぬよ」
「まだ四年だ。人間なんかより、余程いい伴侶が見つかる。そうすれば長女もフォレストに入れる気になるだろう」
「簡単に言うなよ。フォレストのハンデがどれほどあると思う。ミラーは唯一の友達だ。いや彼女だ。手放す気なんてない!」
「だから餓鬼だと言ってる。12年になれば無理やりでも色気仕掛けでも優秀さでもフォレストにひっぱれる」
「12年になる頃にはミラーは俺の伴侶として有無を言わせないだけの能力を持ってるさ」
それ以上はなにも言わなかったし、言えなかった。両方ともカシオネはミラーの光のことを秘密にしてたし、父親は三年のときの実践を見ている。そのまま育てば人間であることなど問題ではなくなってしまうだろう事は容易に想像ができた、何より何故か長女が守っている。




それだけ言うとカシオネは錬金術に戻った。これ以上、ミラーにかまけていては、また錬金術の課題に遅れが出る。次に父親が何をするかわかったものではない。なによりミラーの苦しむ姿を見続けるのは辛かった。ミラーが痛みになれ気を失わなくなったのは昼を過ぎてからだった。声もださずに耐えるようになる。父親が見ている。裸だけでも嫌なのにこれ以上醜態をさらしたくはなかった。意地で耐えて見せていた。終わったのは夕方過ぎだ。夕食をカシオネの部屋でいただき、長女に送られていく。触られている間、死ぬほど痛かった神経はまだずんずんしているが、それでもこれで痛みがましになるならありがたいことだった。休みの中ごろの夜中カシオネがたずねてくる。
「服脱いで、ミラー」
ミラーは服を脱ぐ。抱きしめられて傷口を触られる。痛みが全然違う。爪を立てて食い込まれていく。さすがにこれは痛い。
「カシオネ、痛いよ。許して」
「それでも言葉に出せるくらいには神経が肉に沈んだね。休もうか」
そう言うと口づけしてくる。触れるような口付け。カシオネは服をきたままだったので下着姿になって布団に潜ったミラーはパジャマを着なおし布団に入る。密接するとわかってしまうのだろう心拍数が高い。
「何いまさら意識してるの?ミラーはもう俺のものなんだよ」
「うん。だけど…」
「手を腰に回してもっと近づいて君の心臓の音をもっとはっきり感じさせて」
いつもそうやって一緒に寝てきた。下着姿なだけで意識するなんてどうかしている。カシオネはカシオネだ深呼吸をする。どうにかいつもの調子に戻ってきた。そのまま眠りにつく。カシオネもそれを確認して眠りについた。そして朝にはいなかった。起こしてくれてもいいのにとミラーは思う。カシオネの優しさなんだろうけど滅多に休みの日は逢えないのだから…それでも最後の日にはやはり荷物を持って来た。ベッドの中でミラーはその寂しさを訴えた。
「でも起きるの四時くらいだよ」
と戸惑うカシオネ。
「必要ならそれから又寝るから」
「わかったよ。起こすね。でも一回だけだよ。一回で起きなかったらそのままそーっとでていくからね」
「うん。わかった。頑張る」
そう、ミラーは意外と寝起きが悪いのだ。次の日も起こされる。
「本当に起きれるのかな」
と笑うカシオネ。
「うー、起きるもん」
と拗ねるミラー。急いで用意して学校に向かった。




五年生が始まった。





















転生編 7-1
http://sns.atgames.jp/diary/26184654




転生編 7-3
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