勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 転生編 6-3

じーっとカシオネとミラーを見ている少女がいる。二人は仲良く寄り添って寝ていた。昼間から裸で寄り添って寝られているよりはいいが、せっかく休み返上でフォレストに帰ってきたのに起こしていいものかサリューナは、はてと困っていた。しかし時間がない。思い切って手に腰当てて叫ぶ。
「パパ!ママ!起きて!一時帰還しにきたよ!」
バッと起きるカシオネ。手には短剣を抜いていた。サリューナが一歩下がり、両手を上げる。
「んー、サリューナ学校は?」
とミラーの眠たそうな声。
「サ、サリューナなのか、お前」
と慌てて鞘に短剣をしまう。
「すまない大人のサリューナを見たのは初めてだから」
とカシオネがいう。
「ママは分かってるみたいだよ」
「わかるのかお前」
とカシオネが聞くとやっと起きたみたいで
「気配と声がそんなに変わってないもの」
「気配と声…そんなに似てるか…」
「ひどーいパパ。そんなのあり」
「母も父も違うのよ。似ているのは記憶に残る輪廻のサリューナだわ。姿も小さい頃しか知らないし、何よりサリューナの縛りは光でしょう。変わって見えてても仕方ないけど…パパでしょ」
「すまない、今記憶をたどってるんだが、幼いサリューナの姿と声しか感じ取れなくって戸惑ってる」
サリューナがカシオネの首にとびつく。
「思い出さなくてもいい。ただいまパパ。私を受け入れてくれた二人。ただいまママ」
『おかえり、サリューナ』
声がはもる。サリューナはにっこり笑った。




「今、騎士団やガーディアンが黒魔術師を制圧するのにてんてこまいなの。魔王の封印が解けるのもそんなに遠くない。私、卒業できるか分からないから早く会いたくってきちゃった」
「卒業できるかわからないって?」
とミラー。
「私は魔王を倒すのに命をかけなくちゃだから…」
「何故だ戦う前から死ぬような戦い方を選ぶ」
とカシオネ。
「生贄だからよパパ。私は王者と死神のカードを合わせもつの。王者として命を捨てれば他のものは奮い立ち魔王を倒す想像以上の力を発揮できるようになる。生きて戦えば魔王に飲み込まれ魔王の手先となって死神として他のものの戦意をそぎ落とす。私の輪廻は魔王を倒す又は世界の対極を動かす為にある。だからパパにもママにも会わず、サラリーおば様の下、修行を何度も輪廻のたびに繰り返して生きてきた」
「そんな…どちらにしろ死ぬために生まれてきてるってこと…」
サリューナが笑う。
「だから今日だけはパパとママの子でいさせて」




「なんかくすぐったいわね。歳もほとんどかわらないのにママなんて」
「でも間違いなく私のママだわ。味付けが変わらない。錬金術師用の味付けよね。パパへの愛だわ。私にもありがたいし」
錬金術続けてるのか」
「サラリーおば様の元にいるのよ。当たり前だよ」
「それも、そうだな。術がどんなに達者だろうとねえさんは錬金術師だ」
「最初のころはね、人間の料理しか知らなくって苦労したのよ」
「人間の料理も好きよ。ハンバーグにシチューにオムライス、そば…でも後二回しか食べれないわ明日の夕方には帰らないと」
「何が食べたいの?」
「お鍋とオムライス!」
「わかったわ用意しとく。買い物いかなきゃね」
「なら三人で行こう。ね、いいでしょパパ」
「わかったよ、行くか。買い物に付き合うのは久しぶりだな」
「女の買い物には付き合うなが家訓だったんだものね」
とミラーが笑う。
「そんな家訓とうの昔に忘れられてるさ」
三人で町へとぶ、魔法庁が人間界と強く結びついて以来、人間の店で並ぶものも豊富に並ぶようになった。スーパーマーケットなどはさすがにないが。
「サリューナ野菜買いすぎ。食べきれないわよ。これとこれは返して肉は何がいいかしら?」
「大ねずみの肉なんか意外と上手いぞ」
「カシオネが言うなら間違いないか…どんな出汁になるか想像つかないけど。ほら次、肉屋に行くわよ」
肉を買って卵も買う。次は調味料だ。
「オムライスはデミグラスがいい?ケチャップがいい?」
「私はケチャップ」
「俺もだな」
「人間界にいかなくても買えるのは便利な世の中よね」
最後に米を買って帰った。普段はパン食なのだ。こうして二日間三人はありったけの時間を三人で過ごし、サリューナは学校に帰った。




「死ぬために生まれてくるなんて…運命ってなんなのかしら」
「俺たちも変わらない。戦いに全力を尽くすのみだ」
「ねぇ、約束破るけど先に死んでもいい?」
「何を馬鹿なことを!生きるんだお前は」
「もしもサリューナが闇に取り込まれそうになったら…止められるのは私たちしかいないと思わないカシオネ?私は命のありったけを込めて対処する。だからカシオネ後をお願い」
「いらない心配だ。何回もの輪廻をねえさんと共に生きたんだ。簡単に闇に取り込まれたりするもんか」
「そうね。そうだといいのだけど…」
ミラーもカシオネも胸騒ぎが消えることはなかった。彼女が役目を真っ直ぐ行えるのならミラーとカシオネは今何故生まれてきたか、二人の心に引っかかった疑問である。ただの戦力として存在するのならいいが…そして次の日からは再び戦闘訓練と錬金術の日々が続いた。




そしてサリューナが冬休みに帰ることはなかった。
「魔王が目覚めたわ」
とサラリー。次々と町が破壊されていく。それは人間界も魔法界もなかった。どこに現れるかもわからない。その中サラリーが毎日占術をかける。
「一ヵ月後、白魔術師の荒野…あそこなら人が充分集めれる。騎士団にガーディアン、術者一家に錬金術一家、傭兵から、一般公募まで早くおこなって!」
慌しく動くフォレスト。




そして人々は白魔術師の荒野に集まった。
「結局、人間は兵隊一人出さなかったわね」
「いても死ぬだけで邪魔だろう」
「でも魔法界の人間嫌いはもっと進むわ」
「あった!これでしょうサラリーおば様」
土だらけの手で包まれし玉を開く。
「真っ白ね。空っぽだわ。間違いなくそこから目覚めたのね。そしてそれを奪いにくるのが魔王の目的」
サラリーがサリューナの頬を両手で撫で抱きしめる。
「封印の方法さへわかれば貴方の犠牲はいらないのに」
サラリーの目から涙が落ちる。この二人は共に何度もの転生を繰り返し生きてきたのだ。悲しくないわけがない。そして一時が経つ頃。
「随分と人を集めたものだな。その玉をよこせ。そしたらこの場の命は助けてやろう」
黒い姿に黒いマント、一見普通の黒魔術師…だが魔法界で生まれたものにははっきり見える黒いオーラーその声は男とも女ともつかぬ。そのものが広場の中心、ミラーたち四人の前に現れた。
「渡さないわ、これはなにがあっても」
とサラリーが言うと、一斉にフォレストの者達が玉を投げる。爆裂玉である。みるみるうちにクレーターができる。騎士たちが巨大重複魔法を唱えだしたのがわかる。次に投げられたのは増殖茨玉魔王を絡み取り戒める。
「こんなものは一声で解けるが来いサリューナ我が僕よ」
暗示がかかったようにふらりと動き出すサリューナ。
「いけない!サリューナ目を覚まして!サリューナ」
クレーターまで近づき手を振り上げる。
「カシオネ!ごめん。サリューナをお願い!
我が魂に変わって力を与えよ、わが光の娘よ呪縛から逃れたまえ。そして魔王に死のダメージを」
魔王が光に包まれる。サリューナの動きが止まる。ミラーは砂になり崩れ去る。
「ぎゃぁぁぁぁっ、小娘が!小ざかしいわ」
他の錬金術者から七色玉が、フォレストから光の攻撃玉が放られる。
近づき、ゆり動かし正気を呼びかけるカシオネ。
「パパ…ママ!!」
正気に返ったサリューナ。拡声魔法でサリューナが呼びかける。
「命をかけし光の者は我が母、そして私はこの戦の王なり。光の者よその命を持って続け!他の者達よ足止めを願う。肉体が消えれる時、ここに居る者たちの力合わせれば、倒せると宣言する!ひるむな前進せよ。命をかけよ!未来の魔法界のために!!我が魂に変わって力を与えよ、魔王に死のダメージを」
ミラーに続き消えるサリューナ。一帯に暗示をかけるサラリー。それにより束縛されし者達が次々とサリューナの言葉に従う。20人近くの光の者が死んだが魔王の肉体が無くなる。
「今よ!集中的に術攻撃を!」
二度目の騎士団の重複魔法。そして術者たちの攻撃。
「サラリーねえさん、後は頼む」
「カシオネ?」
「心よ我の命を持って補う魔王に最大の精神ダメージを与えたまえ」
倒れるカシオネ。息をしてるようには見えない。魔王の魂が黒く黒く浮かび上がる。聞こえぬがまるで苦しんでいるような黒い塊。
「嘘…五属性魔法に自己犠牲魔法が存在してたなんて…予定変えて心の破壊玉行くわよ一斉投撃!」
とサラリー。投げられる玉、魔王の声無き悲鳴。
「心よ炎よ水よ大地よ風よ我が力を最大限に魔王を一点に貫ぬき破壊しよ!」
恐ろしい音と共に五属性のすじが舞い降りてくる魔王を貫き貫き貫きまだ止まない。サラリーの一族を滅ぼすこともできると言った魔法が分散してでなく、一点に集中して攻撃されたのだ。魔王は消え去った。それでもまだつづく攻撃、ゆうに10分は攻撃がつづいていた。サラリーもまた倒れる…死にこそしなかったが病弱になり、一年足らずで死んでいった。フォレストは長男が後を継いだ。長男の長男は既に成人している。三年後にはその長男が長女を産んだ。




「ミラー!」
とカシオネ。
「カシオネ?何故ここに?」
「俺もまた自己犠牲魔法を使った。とっておきだったんだがな」
とあっさりした声で言う。
「ここはどこ何もない世界。時々歩いてる人が居る程度。魔王に殺された犠牲者ならもっと多いはずなのに…」
「魂の終着駅かもな」
「だってサラリーがもう一度は生まれ変わるって…」
「だから駅だと言ったろう、俺たちは最後に向かい進んでる」
「カシオネ、抱いていて…離さないでこれが最後なら…私は離れたくない転生後も一緒に居たい。だから何があっても離さないで」
「ああ、俺も同じ気持ちだ」
二人はその場に座り、口付けを交わす。長い長い口付けを、それは永遠に続くかのように。口付けをしながらカシオネはミラーを自分の腕の中にいざなう。そのまま口付けは続いている。カシオネの舌がミラーの舌を絡め取る唇を吸い唇を噛む。
「つっ、こんなところまできて痛覚はなくていいのに」
「なきゃ口付けも感じないだろうが」
「それはそうだけど…」
口付けを再開する二人。噛みきられた唇がしみる。その唇を吸われるのだからたまらない。時間のない中で口付けは永遠に続くように感じられた。二人がやめたのは舌も唇も麻痺してからだ。
「ここで抱いたらどうなるんだろうな…」
「わかんない」
「抱きたい」
腕の中に抱いてる相手にささやく。
「怖い…少しでも距離が離れたらそれが時間の差になりそうで…」
「そっか…このまま腕に抱いたままならいいか?」
「…うん。難しそうだけど」
「どうにかなるよ」
そういうとまた口付けしてくる。口付けしながら服を脱がされる。耳や首を唇で愛撫されながら手で胸を愛撫する。片手はミラーを支えてるので片手だけだが、それでも少しずつ体の芯が熱くなる。両手で支えられてギリギリまでのけぞる胸に唇か触れる。乳首を舌で転がされはじかれ思わず甘い声が出始めるミラー。抱えあげられてカシオネが座りなおすと
「両足こっちにかけて足開いて」
橋の掛け渡しのように膝の上に寝るミラー。スーッとクリを撫でられびくっとなった。瞬間には膣に指が埋め込まれ動き出す。
「あん、カシオネ、ああ」
「準備できてるみたいだね。ほんの少しだけ立って俺のほう向いて繋がってくれるかい。自分で俺のものを持ってゆっくり挿し込んで」
ミラーは真っ赤になりながら頑張る。今までカシオネがしてくれてたことだ。
「足で俺の腰にしがみついて」
「こ、こう?」
「いい子だ。これが一番密接してるだろう」
と言うと、腰を持って持ち上げ、落とすと上下運動の始まりだった。どうしていいかわからずしがみつくミラー。カシオネは構わず持ち上げては落とす。そのうち腰も振りはじめ、ミラーはあえぐことしかできなく、腰を捕えてた足は下に落ちしがみついてた手も離れ肩に手を回しゆされるままに頂点に達し続けた。そしてカシオネのものが中に放たれる。
「あっ、はーっ」
「まだだよミラー、気を失うか転生されるまで抱き続ける」
「この姿勢のまま?」
「離れるの嫌なんだろう?今度は自分で腰を動かしてごらん。もっと感じるから…」
ミラーは膝をつき自分で動き始める。遠慮がちに動かしてるとカシオネが付きあげてくる。
「あああっ、カ、カシオネ駄目そんなに動いたら動けなくなる」
「もういいよ。俺がいかせてあげるから。ミラーに腰振りは似合わない」
そういうとどんどん突きあげてくる。ミラーはまたあえぐことしかできなくなった。そんな時間がどれほど立ったろう。さすがのカシオネもこの姿勢だけでやるのは辛いらしく、ミラーの中に入ったまま休んでいる。結ばれたままお互いを抱きしめていると光に包まれた。二人はその場からいなくなった。












学校に入ってすぐカシオネは食事を一人でしていた。
「ここいい?」
と同じ年頃の女の子が聞いてくる。
「いいけど…僕はカシオネ=フォレスト。フォレスト家の末っ子だよ」
「ミラーはミラー=レルゼンよろしくね」
と座ってしまう。
「フォレスト家のものなんだけど…」
「うん。遠くから見たらまるでここだけ、私のために開いてるみたいだったんだもん」
とにっこり笑う。
「もしかして君は人間?」
「そうだよ」
「魔法使いでフォレスト家に近づく者はいないからね」
「何故?」
「最強にて最悪な錬金術師一家だからさ。僕が怖くないなら一緒に勉強もするかい?」
「それ助かる。ミラーも人間で誰も声かけてくれないんだ」
「何故魔法学校に入ったんだい」
「魔法使いになって戦ってる夢見るの。傍らに大事な人がいて、自分もその人も死んじゃうんだけどね」
「…その夢僕も良く見る…」
「すごいね。こんな大勢の中で同じ夢をみるひとと出会えるなんて」
「カシオネ君は何で?」
「カシオネの呼び捨てでいいよ。僕もミラーって呼ぶ。僕の場合魔法使いの生まれで錬金術しかのうがないからさ」
「のうってなに?」
と首をかしげるミラー。
「それしかできないってかんじかな」
「…君は僕と一緒に過ごすなら…一緒に大人になってくれるかい?」
「うん。カシオネの側で一緒に大人になる」
と笑うミラー。カシオネはどきどきしながら
「無理しなくていいんだよ」
という。
「どうして?やっとみつけた友達なのに」
と首をかたむけるミラー。
「僕もやっとみつけた友達だ」
とカシオネが始めて笑う。今度はミラーがどきどきしながら
「約束。一緒に大人になろうね置いていかないでよ」
と不安そうな顔をする。
「大丈夫だよ僕の腕の中で大人になるといい。僕も迷わないから」
そういうと腰をあげミラーの額にキスをした。











転生編 6-2
http://d.hatena.ne.jp/MitamaToki/20140507





転生編 7-1
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