勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 転生編 3-3

それはいつもの土曜の朝。カシオネは12年カリキュラムを終えて四年生に戻ってきた。
「再選択入学おめでとう。本当にミラーに追いついちゃうね」
「追いついたら言おうと思ってたんだけど五年になって11歳になったかいミラー」
「うん。ミラーは夏休み開けるとすぐ11歳になるの」
「そういえば誕生日は早かったな…」
「うん。それがどうしたの?」
「まだ、早いかな。でも欲しいものがある」
「ミラーで用意できるもの?人間界のもの?」
「ミラーにしか用意できないもの。ミラーの唇」
「そんなの当の昔に…あー」っと真っ赤になるミラー
「察せるぐらいには、大人になってるんだね」
指で唇をなぞりながら
「唇の力は抜いてて、最初は何もしなくていい。ただ俺を受け入れて」
唇を合わせると初めて唇を吸われた。そのまま唇を割って入ってくる舌。最初はゆっくり、どんどん激しくなっていく口付けに唇が離れると
「はぁはぁはぁ、なんか変、おかしくなっちゃいそう」
「でも、まだ耐えてるね。おかしくなっちゃっていいよ。本気で口付けしてやるから」
そういうとまた口付けが始まる。次に唇を離した時には恍惚として我を忘れているミラーの姿。
「くすっ、さすがに最初からこれはきついね」
寝かせるとしばらく抱いて様子を楽しんでいた。しばらくすると、徐々に意識がはっきりしてきて、急に覚醒する。がばっと座って
「ミラーどうなっちゃったの?」
「すこし我を失ってただけさ。いくだけでも最初は気を失う子は多いからね」
「いく?」
「くすくす、それはそのうちに教えてやる」
そういうと三度の口付け…それは先ほどきつくはなかったが、唇が離れるとそのまま耳を愛撫される。
「ひゃん、カシオネ」
「がまんしなくていいよ気持ちを身にまかせて」
そう言うと首筋に舌がはう。自然と手は胸を愛撫し…
「キスマークつけてーっ」
とカシオネが叫ぶ。その一言で動きは止まった。
「いいの?カシオネ。続けなくて」
「今おかしい?心臓ばくばくして体が熱くなってる?」
「体中が熱を持ち始めたけど胸とその…」
真っ赤になる。
「うん。それで普通だよ。早すぎてもちゃんと女だ。でも続きは初潮が始まってからな。それまでは…口付けだけ受け入れてくれ。少し激しいかもしんないけど」
「…うん…」
そういうと抱きついてくるミラー。
「もう少し時間がある少し寝ようか」
二人は眠りについた。
「やば。ミラー、ミラー、昼食の時間終わってる」
「んー、終わってるものは食べられないよ。勉強に決闘かぁもどらなきゃ」
「それより食べ物探しのついでに狩りをしようか」




「狩りは学区外にでるもんね。いつもドキドキ」
「今日は食事が目的、そんなに強いもの相手にしないよ」
「ほらミラー口を少し緩めて」
小さな柔らかい果実が指で押し込まれる。手をなかなか抜いてくれない。そのまま手は奥に入り喉の近くで果実が落とされる。苦しいまま飲み干すミラー。手が抜かれる。
「かはっ、ケホケホっ。カシオネの意地悪」
ただ、カシオネは笑ってる。自分についた唾液を舐めながら見ている。ミラーのせきが止まると、自分の口に果実を含み、今度は口付けしてくる。柔らかい実なのに器用に舌でミラーの口に移すと唇を離す。果実を渡し
「やってみせて」
というと地面に座る。ミラーは言われるまま、自分の口に入れ…飲み込んでしまう。
「自分で食ってどうするんだよ」
とカシオネが笑う。何度目かにして、相手の口に運べるとカシオネは舌で潰してしまう。そのまま舌が絡みつく。果実の味と皮の感触を味わいながら口付けを受ける。
「悪くないだろう?」
と唇が離れると言われた。そのまま果実が無くなるまで親鳥のように果実を運び続け、時々それが口付けに変わりながら二人で食べ終わる。満腹感よりも心が満たされていく。それにミラーは口付けに応えることを覚えた。
「やっと来た。真上に来たら風の刃で落としていくぞ」
「わかった」
カシオネは果実で遊びながら、夕刻になって集団になって帰ってくる蜜鳥を待っていたのだった。
『風よできる限りの蜜鳥を風の刃で切り裂け』
ぼたぼた落ちてくる蜜鳥。それを上を通る度に二、三回続け、数を確保した。袋に入れていくカシオネとミラー。全部入れ終わるとトルネクス学園に魔法で移動した。夕食にはまにあった。風呂に入って学習室に行く。カシオネはもう学習している。ミラーは昼間のことなど忘れてしまったかのようだと思った。でも、寝る前に寮の裏に引きずり込まれ、口付けされる。
「すましてるの上手だね。ミラーなんてドキドキしてたのに」
「経験の違いだな。学校側に知られていい歳でもないから」
それでも寝る前の口付けは日課になった。




この頃からミラーは襟の高いシャツを着ることが多くなった。ある日カシオネがその襟の高いシャツをひっぱりながら
「これ、俺への防御?」
と聞く。
「逆、つけられた日だけ着てるの不自然でしょう?今からみんなの目をなれさせとくの。こんな服を自然に着る子だって」
カシオネはくすくす笑う。
「な、なにがそんなに可笑しかった?」
「いや、かわいいなと思って。でも」
耳元で
「この服脱がさなきゃつけれないぜ」
とささやく。
「下着姿見て俺、我慢できる自信ないのだけどね」
と笑う。真っ赤になるミラー。
「そこまでは考えなかった」
「じゃあ、期待に応えて今度の休み泳ぎにでも行こうか?」
「ミラー泳ぐの苦手…」
「ああ、今まで、こんなに歳が近いことなかったから忘れていたよ」
「明日の朝から走ろう。ミラーのはただの体力不足だ。泳ぐのは苦手だったけど、鍛え上げた体の運動神経は鈍くはなかったよ」




「ほら、無理はしなくてもいいけど、気は抜くな。疲れたら休んでいい。できる限り全速力で走り、駄目だと思ったら歩き、息が整ったらまた走るんだ。俺も勝手に走っとくから」
そう言うと、ミラーなど置いて結構なスピードで走っていく。いつも勉強にかじりついてるのにどこにそんな体力があるのだろう?カシオネにとっては白魔術師だった頃の二人の方が記憶に新しい。白魔術師として鍛え上げてた頃の筋トレは幼い頃から続けてきたが、学校で走るのは久しぶりだった。速さはあるが息が切れる。自分も体力不足だなと微笑みながら歩いてまた走った。来世からは日課にしようと心に決めるのだった。どちらにしろ、こんなに歳が近いことは滅多にないだろう。ミラーの方は一生懸命走っているがすぐ歩く。息切れをして、それでも足は止めない。言われたとおりにまた走る。かなり厳しい。前世の私はこんなこと、やりとおしてたのか?それでも一週間とたたずに体は慣れてきた。走れる距離もスピードも違ってくる。カシオネにはかなわないけど…そして土曜の朝がやってきた。





ミラーは内心覚悟を決めてカシオネと湖に来た。
「やっぱり水着を持ってきた方が良かったかな」
カシオネが真面目な顔で
「欲情してる男には水着も下着も変わらない」
と言って、自分の服を脱いでいく。ミラーも後ろを向いて脱いでいく。
「おもしろいな。自覚してるってのは。自覚してないミラーは19歳でも平気な顔で俺と一緒に水浴びしてたんだけどな」
「だって…」
後ろから抱きしめられ、うなじに唇がはう。
「あん…」
そのまま首のねもとを吸われるのがわかる。
「一つ目つけた…」
そういうと手を離し
「泳ごうか」
という。
「ほら足バタバタさせて、力まない。沈んでいくよ。そうもっと軽く、ほら水をかき始めた。それだけでも少し泳げる………息継ぎは顔を上げるリズムに乗って一瞬。だけど顔をつけてるのも一瞬だから無理に大量に吸い込むこともない。泳いでみて」
ミラーが泳ぐ。今までの中では会心の泳ぎだ。
「すごーい、泳げる。嬉しい。カシオネありがとう」
「じゃあ、カードをとるとこまで行って見よう」
泳ぎだす二人。だが速さが違う。カシオネの泳ぎはまるでアシカかペンギンかだ。本人に言ったら怒るかな?
「あははは、そりゃいい。俺は動物に例えられるのか。丁度いい潜るぞ。そのやり方も教える」
水に潜る前に魔法がかけられる。空気が顔の周りを包む。潜ると手足を丁寧に動かされ教えられていく。それで随分と泳げるようになった。水にどんどん沈み水泡草をとり魔法を解いて水泡草で泳いでいく。連れて来られたのは、とてつもなく広い優雅な世界だった。水の中だから気付かなかったがそのまま上に出るとミラーは泣いていた。
「シャルセ…」
とつぶやくミラー。カシオネがゆさぶる。それこそ必死に揺さぶりながら
「思い出したのかミラー?思い出したのか?」
ミラーは首を振る。
「その名前が思い浮かんだら…急に涙が…誰だろう」
カシオネは落胆した。疲れたように帰ろうという。
「カシオネ?大丈夫?顔色が悪い…」
「ああ、大丈夫だ。これでも…もう諦めはついているんだ。ミラーの前世の記憶は戻ったことがないからね」
水辺に上がる。下着を乾かして、ミラーはカシオネを抱きしめる。
「ごめんね思い出せなくて」
そのまま頭を押さえられ口付けをした。荒々しくて激しい。苛立ちとやけっぱちを感じる口付けだった。そして耳を愛撫されていたかと思うと耳たぶを噛まれる
「つっ」
荒々しいまま、首筋にキスマークが付けられていく。下着も剥ぎ取られるように脱がされ、胸からへそのあたりまで全身にキスマークが付けられ…下着が着せられる。カシオネは泣いていた。のしかかって、また首にキスマークが増えていく。
「カシオネ…抱いてもいいんだよ」
「いや、抱いてもこの空虚な気持ちは埋まらないから…」
とカシオネはしばらく声を殺して泣いていた。ミラーは何もしてあげることができなかった。全ての前世を背負うってどれほどの重荷なんだろう?




六年生になるとカシオネはミラーと同じ学年に来た。これで飛び級もする気がなくなった。先に卒業するとろくなことがないことを知っていた。同じ教室になった日カシオネは教室でミラーに口付けをした。とても濃厚で気をしっかり持たなければ意識が吹き飛びそうなほどの口付けを先生がくるまで続けた。周りの冷やかしや非難の声もその二人に圧倒され部屋は静まり返った。
「カシオネ、ミラー、貴方達には早すぎる行為です。口付けは軽いものならまだしも今みたいな濃厚なのは控えるよう自制心を養いなさい」
「自制なら充分してる。他の連中に、二人の関係をはっきりさせときたかった。餓鬼は餓鬼なりに真剣なんだ。ほっとけ」
と投げ捨てるような言葉。
「ミラー貴方もです。拒否できないのですか?」
「先生は拒否できますか?求められて、相手の気持ちがわかるのに…カシオネは少し独占欲が強いんです」
「二人とも独房に一日入って反省し、考えなさい」





独房からでてくる二人。ミラーは意外としっかりしているがカシオネはぐったりしている。独房の前で座り込む。
「大丈夫?カシオネ」
とミラーもしゃがむ。
「口付けしてくれミラー」
「なんで独房に入れられたか、わかってる?人目を忍んで…」
「ミラー、俺の言った言葉、理解できるな?」
ミラーはカシオネに口付けをする。おずおずといれる舌に凄い勢いで絡んでくる舌、唇を吸い向きを替え舌はまた深く入りカシオネを愛撫する。唇が急に離れる。
「もういいよミラー。ありがとう」
とカシオネが笑う。どこか元気のない笑顔に、頭を抱きしめるミラー。先生が来て
「貴方たちは反省と自制の二文字を知ってますか?」
とわなわな震えている。怒りを抑えている、といってもいいだろう。
「先生、カシオネは独房に弱いんです。それでも承知で入るような真似をするときカシオネは弱ったり、荒れたりしています。カシオネがミラーに求めてるの。自分に従順であるか、自分から離れていかないか、カシオネの取る行動を許してやってください。罰なら私が受けます。たとえカシオネが皆の居る教室で体を求めても私は逆らえません。カシオネの苦しみに比べたら恥辱も乱暴も耐えられるはずです。お願いだから、カシオネをこれ以上苦しめないでください」
とミラーの声は必死だった。
「ミラー、お前…」
とカシオネが頬を触る。
「言ってる意味わかってるか?俺の奴隷とかわんないぞ」
「それでいい。いまのカシオネが少しでも楽になるなら…」
「ミラー、貴方は…どうしてですか?12歳で伴侶になれるかもわからない男性に、そこまで肩入れするの?」
「伴侶にはする。それだけは誓える。ミラーしか俺には居ない」
「カシオネ、貴方もまだ13歳よ。未来の事なんか…」
「わかるんだよ。先生、運命って信じるか?」
カシオネは立ち上がる。
「俺たちはもう一度独房行きか先生」
「二人の言葉を聞いたら、入れられないでしょう」
とため息つく。
「でも未来なんて誰もわからないのよ」
と先生。
「だけど未来を変えるより、定めを変えるほうが難しいよ先生」
「定め?何を指して定めというのですか?」
「それは誰にもわからない。誰に話しても通じない」
カシオネはミラーを連れて教室に戻った。





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