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ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 69 カルラナ編02

「ラルダ!」
と言ってカルラナが飛びつく。体の小さいカルラナを振り回して
「元気だったか?」
と聞くラルダ。
「うん」
カルラナは満面の笑顔で答えたのだった。そして二年生、始めての食事をする。
「カルラナ、俺の女になれって言ったの取り消すぜ。付き合い方は今までのまま頼む。ただ錬金術の日は姿を消すかな。俺は俺の女になれそうなのを捜す!」
「カルラナじゃ駄目?」
と不安そうなカルラナ。
「カルラナは大事だよ。一年で大事すぎる存在になったんだぁ。…だけど従順じゃない。俺が探したい子は何も逆らわないような大人しくて愛に飢えた女の子だ」
「木の中の10日間はなーに?カルラナに問題があるなら教えて。別れるなんて言わないでよ。愛してるって嘘なの?」
「別れるとは言ってないだろう。俺の女じゃなくていいと言ってるだけだよ。俺のお気に入りだ。一番に愛してる。俺、絶対にお前の存在を失いたくないんだ。伴侶じゃなくてもいい。一生、側で笑える存在で居たい。俺の女にしたら苦しめる、後悔する。そんな気がするんだ」




カルラナは初日からショックを受け、衰弱していった。もともと食べないのに食事が喉を通らない。体育の日、気を失って倒れた。その日はラルダは独房に入っていた。次の日医務室に呼ばれる。カルラナが頑固として食事をとらなくて、食べさせても吐いてしまうと。ラルダがいう。
「命令だ、食事をとれ」
「喉に通らない」
絶対通るからとラルダはベッドに座ると、パンを小さくちぎりカルラナの口に当てる
「口を開けて。いい子だから」
カルラナは口を開ける。小さなパンはすぐ湿り気を帯びて喉に流れ込む。パンを半分くらい食べると、スプーンが口に運ばれる吸い込むように飲み込まれる。喉に食べ物が通らなかったのが嘘のようだ。
「ラルダ…何故、独房に入ったの?」
とカルラナ。
「好きだよって言ってくれたから、ディープ・キスしてやったら泣き出して先生に報告しやがった。二年じゃ駄目かな…」
「ディープ・キスって?」
「大人の口付けだよ。カルラナはまだ知らなくていい」
「いい。今の一言でわかっちゃった」
「ませてるな」
「だってフォレストじゃそこらじゅうで見る光景だもん」
「それがしたくってカルラナを俺の女からはずしたの?相手がラルダなら…私…受け入れるよ」
「わかってる…だからはずした。お前は特別なんだ。俺の早く大人になりたい欲望の餌にはしたくない。だけど俺の欲望に耐えれる奴がいるならそいつを伴侶にしちまう。だからお前は一生大切な特別な存在だけど俺の女にはなれない。愛してる」
そういうと額に口付けをしてくる。カルラナはその言葉を受け入れて、伴侶になれなくても一生ラルダを私は愛していくんだろうなと確信した。




だけどその道のりは険しい。ラルダが女を変える度、独房に入る度にカルラナの体は食事を拒否する。それにいち早く気付いたラルダはカルラナが食べられなくなるとラルダの手で食べさせる。周りから冷やかしや好奇心の目が注がれるがラルダは無視した。それこそ何度も何度もその行為は二人が結ばれるまで続くこととなる。それはまだまだ遠い未来の話。




ラルダが女の子じゃなく、女に興味があることが知られるのは、そんなに時間はかからなかった。下は四年生くらいから上は12年生までおもちゃのようによってたかって女が集まるようになった。だけど食事の時間と勉強の時間と一緒に過ごす休みの日はラルダはきちんと守った。彼がいなくなるのは決まって錬金術をしている日だけだった。気にならないわけがなかったが錬金術は神経を研ぎ澄まされる。ラルダのことも頭から消え去る。ただ、錬金術が終わって後ろを振り向くと本を読んでたラルダはもういない。小さいハートがキューンと押しつぶされそうだった。




だけどラルダはカルラナの所有物ではない。ましてや早く大人になる事だけを考えて突き進んでいる男の子だった。カルラナもラルダも頭は悪くなかった。勉強していると余裕ができる。飛び級も考えたが学校にかかるお金なぞ微々たる物だ。本来特待生になってもさほど意味の無い話だ。フォレストの宣伝に過ぎない。頭が良すぎてその事がわかるから余計に特待生にはうんざりしていたが、おじいちゃんの命令とラルダが自分から離れていった時にすがり付くものが欲しくって、勉学には励んでいた。その間はラルダも隣に居てくれるし。ただ隣にいるからこそどきどきする。ラルダは凄い勢いで色っぽくなっていた。それが他の女の子とつきあっているからだと思うと、悲しいやら悔しいやらでカルラナは時々八つ当たりをする。それさえも正面から受け止められるのでカルラナに勝ち目はなかった。お休みと頬に口づけをされて別れる。いつまでそんな日が続くか、検討もつかないカルラナだった。




ラルダはラルダで落ち着かない。他の女の子に囲まれていても、また食事が喉を通らなくなってないか、錬金術はそろそろ終わるころか明日は何処を学習しようか、このまま嫌われていくのではないか、ただひとつ木の中で誓った愛だけを信じてカルラナを突き放す。今の自分はカルラナに見せられるものじゃない。そのことを充分に承知してるから俺の女からはずすと言った。




ある日、ラルダが医務室に運ばれ、カルラナが呼ばれる。治癒魔法をかけても放心状態から解けないと…急いで駆けつけるカルラナ。そこで真っ裸なラルダを見た。まだ小さいけど初めて男の人のあれが目に飛び込んできて真っ赤な顔をしてシーツをかける。先生が慌てて
「ごめんなさい。全身に治癒魔法かけてたから隠してあげるの忘れていたわ。大丈夫?」
カルラナは大丈夫、というとラルダの横に座って手を取り
「こんなに遊ばれるまで無理することないのに…」
とつぶやく。髪を撫でながら耳元に
「カルラナだよ。戻って…ラルダ…愛してる」
そう言うと頬に口づけをする。その瞬間、ベッドから飛び降りて押さえつけられる。何かに取り付かれたように、目がぎらぎら光っている。顔が近づく、あわてて取り押さえる医務室の先生。
「先生…俺、カルラナか、見るな。今の俺を見るな。見ないでくれ」
カルラナはカーテンをひき、隣のベットに座る。
先生が
「貴方をそんなにした生徒達の名を明かしなさい」
というとラルダは
「自分が望んだことだ。裏切れないと」
「狂う手前だったのよ?」
と諭してもラルダは口を割らなかった。
「カルラナに礼をいいなさい」
「先生、悪い30秒だけ消えてくれるか」
「カルラナを傷つけないわね?」
「ああ、傷つけない」
先生が消えるのを待ってシーツをまきつけたラルダが耳元でささやく。
「カルラナ、愛してる」
と、そして三度目の口付けを交わした。




無理やり飲み込んだ様子を見るラルダ。コップを口に当て傾ける。喉が少しずつ鳴りながら水が吸い込まれる。
「カルラナは変なとこで繊細だな」
と言われる。
「仕方ないよ。すぐに食にくるのは赤ん坊の頃からなの」
とふくれる。
「ほら口開けて」
小さくちぎられたパンが口に吸い込まれ飲み込む。夕食の時間が食べ終わる時間までに半分をどうにか食べた。
「また風呂にはいれそびれちゃった」
「別に死にはしないさ。もうひと勉強いくぞ」
と立ち上がるラルダ。医務室でのことは二人とも何も言わない。後は普段の時間が流れるだけだ。
「特待生にいつのまにかなってたんだな」
「もう四ヶ月も前の話よ」
と笑うカルラナ。
「一緒に勉強してるのに、何を見てるんだろうな俺は」
「ラルダはラルダで一生懸命だろうけど、疲れてない?」
「そーかもなぁ」
「休んだら?私は一人でもどうにかなるよ」
「そっちは休みたくない。錬金術を休めるか?」
「たまに休むのはいいけど、その時間は…いいの?」
「夜明け前にでてこいよ」
「うん」




夜明け前、女の子たちが集まるのを待たずに二人は湖にでかけた。水を掛け合い、泳ぎを競争して、潜水までする。あっと言う間に半日がすぎた。
「あー楽しかった。そろそろ帰らなきゃ、お昼だよ」
服を
「炎よ衣類を乾かせ」
で下着を乾かし上着に手をかけると、ラルダの手が伸びて着替えにまったがかかる。
「どうしたの、ラルダ」
「見せて、カルラナの全裸を」
カルラナは慌てて
「私、成長してないし、見てもつま…ん…ない…よ」
「それでも、見せて、カルラナ」
「本気?」
「ああ本気だ」
「あーあ、せっかく楽しかったのに」
「すまない」
「私だけ見てるの反則だもんね」
「それは関係ない。ただみたい」
カルラナが下着を脱いでゆく。全裸になってゆっくり一週するカルラナ
「もういい?」
「全身真っ赤だね、かわいい」
「男の子に見られるの初めてだもん」
とカルラナがふくれる。
「いいよ、ありがとう」
「こんなもの見て男の子は楽しい?」
「いやカルラナの場合は愛しい」
服を着ながら
「子供のままじゃ駄目なの?カルラナはいつまでもこのままのがいいのにな」
「俺がそのままにはさせない。いつか傷つけたらごめん」
カルラナがラルダの頬に口づけする。
「いいよ、それならそれで」
カルラナは笑って見せた。




二年生が終わる、次は三年生だ
















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