勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて77 カルラナ10

何も言わずに口付けをすれば普通に受け入れる。それが
「愛している」
と言って口付けると微妙に脅えて受け入れる。口付けの後
「愛してる」
と返してくる言葉が痛かった。
「カルラナ、休みはどうしてた?」
錬金術してた」
「聞き方が悪かった。食事は取れていたか?」
「うん」
「睡眠は?」
「とれてる」
「勉強は」
「ちゃんとやってきた」
「薬はまだ飲んでいるのか?」
「飲んでない」
「小屋にあるのも処分していいな?」
「高いのよ」
「カタルナにでもあずかってもらう。麻薬性があると言ったろう。側には置いときたくない」
「フォレストで薬断ちならしたから大丈夫よ」
「なら、いらないだろう。手放せ」
「うん」
小屋から取ってきてカタルナにあずけた。
「確かに受け取った。ラルダは、この半年以上できうる時間をカルラナに注いだ。もう一回信じてやれ」
カルラナに呼びかけるカタルナ。
「うん」
反応は薄いが口調はしっかりしていた。






休みの日、小屋に行くと飽きるほどラルダは口付けを繰り返した。受け止めてはいるが反応は薄い。
「カルラナ、自分からできるか?俺に口付けて欲しい」
カルラナの口付けは恐る恐るだった。静かに入ってきて口を愛撫する。ラルダが舌へいざなうと絡めてきた。ラルダは唇を吸い交代する。今のでおずおずと応えてくるようになる。しばらく口付けは続いた。
「俺が嫌いか?」
首をふる。
「愛されるのが怖いか?」
「少し」
ラルダは少しの間考える。
「愛するのが怖いのか?」
「う…ん」
ラルダは抱きしめる。迷うことなく愛してきた人間に捨てられ、死にかけたんだ。怖くって当たり前だった。
「戻って来ても…怖いんだな?」
カルラナは困った顔をして
「ごめんなさい」
と言った。ただ、抱きしめてやることしかできなかった。






学習室で勉強する。この半年で告白してくるものもいなくなったと思ったのだが
「もう彼女は大丈夫なんでしょう?義理たてなら充分すぎるわよつきあってよ」
「ラルダ…行ってもいいよ?私なら大丈夫」
「帰ってくれ。カルラナが俺の唯一の女だ。遊ぶ時間は終わったんだ」
女はむくれて帰っていった。
「いいの?ラルダ?」
「手についた傷、首についた傷、心についた傷、何も逆らわないような大人しくて愛に飢えた女の子を探してると言ったろう。あの時、俺はお前を従順なやつじゃないと言った…餓鬼だった。食事も喉を通らなくなるお前が、甘えこそすれ従順じゃないわけがない。愛されることに終止符を打たれて死のうとしたお前が、自分で生きろと言われて、寿命を縮めるお前が、愛に飢えてなかったわけがない。最初からみつけてたんだ。なのに俺は探し続けて…愛してる愛し続けてた。だからこそ跳ね除けたんだ。俺は不釣合いな男になっていたから…でも、その結果がお前だ。悲しすぎる…」
「愛してる。ラルダ」
唇を押さえられる。
「その言葉も封印だ。愛することが怖いのだろう。怖くなくなるまで言わなくていい。その代わりこれを…お前はやっぱりちっちゃいな、親指にしかはまらない。俺もはめとくから、魔法がかかってる。サイズは変えるなよ」
「どんな魔法?」
「テレポーター。ただし指輪をはめていて、愛し合ってなきゃ呼べない。肉体関係を持つともっとはっきりと目印がつきとべるんだが、今の俺はお前を抱きたくないし、お前が心から呼ばなきゃ意味が無い」






錬金術の片づけをしている。カルラナは薬を置きに保管室にでかけた。
「ありがとう。大方片付けてくれちゃって…」
ブラシを洗い始める。
「すまない。そこまではきづかなかった」
「ううん、これは前の人の汚し、今日私はブラシつかってない。小屋行こうか。あそこが一番落ち着く」
小屋に登ると口付けをする。何度も何度も続けて…この行為にも慣れた。心の隅に最後の日になったことがよぎって脅える。ラルダも気付いていた。だから同じ事を繰り返す。こんどこそ大丈夫。それを体と心に教えるために。もう迷いはなかった。他の女と交わるならカルラナと交わる。その為には愛してると自信をつけさせてやらなきゃならない。一度は無理やりに捨てさせた心だ。方法は見つからない心が受け入れられるようになるのを、待つしかないのだろう。






そして毎度のように学習室で勉強していると、また二人の前にたつ影、姿を確認する前に
「今は誰とも付き合う気は無い」
と突き放す…と
「あんたに言われる筋合いはない」
と男の声が返ってきた。二人して見上げる
「俺は12年ドアと呼ばれてる。付き合って欲しい」
「ごめんなさい。誰とも付き合う気はないわ」
「そこの男とは!食堂で見ていた。食べさせてもらったり、口移ししてもらったり、男とキスはしたこともないとは言わせないぞ」
「ラルダは私の思い人であり、幼馴染だわ貴方とは勝手が違う」
「じゃあ一度だけ。とっておきの場所に案内するから」
二人で顔を見合わせる。
「決めるのはカルラナだ」
「一度だけよ。何かあったら魔法をかけてやるから」
「どうぞ。12年生の俺に勝てると思うなら杖を持参してもかまわないさ」






「すごーい!綺麗。夕日がこんなに綺麗にみえる谷が学区内にあるなんてドアさんはよく来られるの…んく」
え?しゃべれない。そもそも体の自由が利かない…しまった!
「よく来るよ。そして100%女の子はその綺麗さに見とれて杖の振られる音に気付かない。無言呪文さ。俺は君にずーっと興味を持っていた。食堂で堂々と男の子に食べさせてもらってる女の子ってのは始めてだからね」
そして抱き上げて乱暴に草の上に落とす。
「もともと彼女にする気の女の子なんていないんだ。一度抱けば飽きるからね」
カルラナは心で叫んでいた。ラルダ、ラルダ助けてと、だが声がでない。口付けをされる。嫌な舌の感触。嫌いなものに受ける屈辱はこんなに違うのか。衣類を脱がされていく。全裸になったカルラナは震えることもできない。谷間に衣類を捨てられて
「呪文を解いてあげるよ。泣きも叫びもしない人形を抱いても面白くないからね。そして俺のことを誰にもしゃべれないほど辱めを受けるといいさ」
杖の位置を確認する。動けなくなった時に手からすり落ちたはず。捨てられては無い。ただ…ラルダ!ごめん。私はあなたを愛してる。なのに屈辱に耐えなければ杖さへ拾いにいけそうにない。






「人の女に何をした?何をする気だ」
以外と冷静なラルダの声が後ろから聞こえる。何故?とカルラナは思う。
「お前どうやって来た?何故突然現れた!」
それには答えないラルダ。
「風よ一人の舌を切り落とせ」
痛みに転げまわるドア。それも煩そうに
「大地よ一人の全身の動きを封じよ」
男は声さえあげられなくなった。
「カルラナ衣類は?何かされたか?…動けないのか?大地よ一人の全身の動きを開放せよ」
「ラルダ、ラルダ、ラルダ」
しがみつくカルラナ。
「落ち着け。もう大丈夫だから。衣類は?」
「谷間に捨てられた。杖がどこかにあるはず…」
カルラナの必死な表情とは裏腹にラルダはカルラナに見とれていた。
「綺麗だな。肉のついたお前は女の体になってる。月明かりに神々しい」
「何、馬鹿なこと言ってるのよ。子供子供してるのは自分がしってるわ。それより杖を探して!」
苦笑して
「杖よ光たまえ」
杖が2本光る。男をさけて取りに行く。ついてきたラルダがふる杖を止める。
「これ以上の罰は必要ない。殺したくても我慢するんだ」
わなわな震えるカルラナ。
「油断した私も悪いけどこいつは、こいつは…」
抱きしめられて声がでなくなる。
「お前は俺を愛を込めて呼んだ、充分だ」
「指輪?」
「そうだ」
「声はでなかった」
「なら、心の叫びが強かったんだろう」
そう言うとラルダは上着を脱ぎ、カルラナに着せてひとつ、ひとつボタンをかける。
「帰るぞ」
そういうと男を担ぎ上げ、片手でカルラナの手をひっぱり帰る。
「ラルダ、力持ちだね…」
「ああ、体術も仕込まれてるからな」






事情を話して男を転がす。
「カルラナは無事だったの?」
「最悪の前には助けられました」
「そうならいいけど…女の子が皆、泣き寝入りしててね。今まで犯人が捕まらなかったのよ。まさかこんな優等生がねぇ」
「俺はカルラナを寮まで送って来ます」
そういうと二人で出る。寮の裏手で押さえつけられ
「本当は何処までやられた?」
「本当にギリギリにラルダに助けられた」
「唇…口付けは?」
「…された」
ラルダが唇を重ねてくる。愛しいとはこういうことなのだ。あんなに不快だった舌ざわりが溶けるように絡んでくる。鼓動が早くなり心が熱い。このままいつまでもこうしていたい。始めて口づけを受け入れた日のように、半日でもしていられるだろう。だが以外と早く唇は離れた。
「大丈夫そうだ。俺をちゃんと受け入れてる。着替えて、今日は寝ろ」
「うん」
触れるような口づけをしてカルラナは寮の階段を登っていった。






次の日は教室でチケに散々ラルダが怒られていた。再生薬は作るのも難しければ高価な薬なんだぞと。ろくでもない奴に使う薬じゃないから他に倒す方法を考えるようにしてもらわないと困るということだった。
「ごめんね、チケ」
とカルラナが謝る。
「お前は被害者だろう」
とチケ。
「だから謝ってる」
と苦笑する。気付いてたのだろう。だから舌を切ったのだ。口付け。カルラナはそれだけで殺してやりたいと真剣に思った。冷静だったラルダに感謝しつつ、術者に生まれるのも辛いものだなと思う。






休みの日、二人で連れ立って小屋に向かう。小屋に登ると葉巻を吸うラルダ。カルラナは寝転んでその姿を見ている。
「美味しい葉巻?」
「これも中毒性があるからな。自分で買ったんだろう。美味しいかを俺に聞くのか?」
「味なんてしなかったわ」
「…吸ってみろ」
と渡す。吸うとカルラナは顔をしかめて
「苦い」
と言った。
「幻覚剤のせいだな。味覚まで変わってたんだ」
「仕方ないわ。飲まなきゃ死んでいたもの」
「そこまでしてなんで生きていた?」
「ひとつはフォレストが死なせてくれなかった。ひとつは…ラルダ貴方が自分で生きてみろと言ったのよ?明日死ぬか、10年後に死ぬかはわからなかったけど…私の精一杯だった」
「そっか」
葉巻を吸い終わるとのしかかってくる。
「お前16歳になったか?」
「なったけど?」
「俺のものにしていいか?」
カルラナは一瞬考えた。
「怖くない?」
「怖いだろうな。でも欲しい」
「…避妊薬を飲んでくる…」
「いらない…お前の属性は光だ。もともとできにくい。できたら…産め。俺の子だ。学校やめてでも育てろ」
「我侭なことを」
「奇跡なんだよ、できるのが。可能性は捨てたくない」
「奇跡…私は奇跡で生まれてきたの?」
「そうだよ。しかも両親に愛されて…幸せな子だ。光の子を生むための道具としてしか扱われない奴も沢山居る」
「それってラルダの家に入ったら私も…」
「絶対、守るから、一族を捨ててでも…だからいいか?」
「…どうぞ」
多少の震えは愛撫されるごとに収まってく。体中についていくキスマークが決して優しい抱き方じゃないのを体が教えてくるが、それ以上に激しさに翻弄されていく。入ってくるときだけは静かで優しかった。痛みに耐えることも容易かった。動き出したら付きあげる痛みと初めての痛みに耐えなければならなかったけど、抱かれて残ったのは心が熱い思いだけだった。そのまま口付けと愛撫はくりかえされて…
「これ俺の愛液とお前の愛液と初めての印」
と股からすくい上げられて見せられる。透明のようで白くにごった液体に微量だか血が混じってる。
「それともう二度目入りたがってる俺のものも見とけ」
カルラナは腰を持ち上げ見る。ぱんぱんにはった男のものは大きい…
「うそ…こんなのが入ってくるの」
すこし脅えた顔に
「すでに入っちまった後だよ。今度は二度目」
そう言うと割って入ってくる。きつさも辛さも先ほどと変わらない。ただ感度が違っていた。自分でもわからずにあえぐ。痛みさへこうなると感じる。二度目は一緒にいった。息が荒い。
「いい子だ」
そう言うと息も整わないまま口付けがまっている。夕食の時間をすぎ、夜中になるまで何度となく抱かれた。
「夕食の時間で止まると思ったのに激しい」
「歯止めがとれた。自制心が効かない。やっと落ち着いた」
「カルラナは小さい、俺は大きい辛かったろう」
「うん…でも他の人じゃない。ラルダだからいい」
「ああ、初めての相手が俺でよかった」
「うん」
「寮に帰るぞ。明日は授業がある」






もうじき二人は11年生になる。









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