勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 61

「ミラー、欲しい」
「カシオネ、今日は休みよ。もっとのんびり寝てからで…んくっ」
口を塞がれるミラー。こうなるとなし崩しだ。ミラーはされるがままに逆らえない。




サンドラが魔法で鍵を開けたのか、入ってくる。テルジスと一緒だ。




「カ、カシオネ。サンドラたちが来ているわ」
「今日は休みだ。急用なら叫んでる。ほっとけばいい」
やめる気のないカシオネ。
「ちょ、カシオネ。やだ…」
耳元で
「逆らうな」
とささやかれる。
「力抜けミラー」
ミラーは力を抜いた。後は感じるままにあえぐだけだ。そのまま頂点に達する。




上掛けで下だけ隠すと起き上がり
「何のようだ。サンドラ」
ミラーはそれでも恥ずかしいらしく。頭から上掛けをかぶっている。
「素行調査、この前のドルドネの件があったから、ある程度、過去のことは知っといたほうがいいと思って」
「俺には関係ないことだな。何があってもミラーを手放す気はない。二回目に入りたいんだが、出て行ってくれないか?まぁ俺は見物してくれてても、いっこうに構わないんだが」
「でしょうね。休憩所、広場はもちろん職場でもやっちゃうぐらいなんだから。ミラーの羞恥心がかわいそうよ」
「それがまた、いいんだ。恥ずかしながらでも逆らわない。どんなに燃えるかわかるか?」
とカシオネが笑う。
「とんでもない男に惚れたわよね。それで貴方達の過去なんだけど六歳から一緒なのよね。ずっと一緒に勉強してて喧嘩とかも別れたりとかもしなかったの?」
「そんな関係じゃなかったからな。一番側に居る、側に居て当たり前な親友関係だった」
「異性関係は?」
「ミラーは俺が始めてだ。俺は経験がある」
「その人との間にあった感情関係は?子供のこととかも」
「避妊はしてた。感情も無いな、男になりたかっただけだと言うよりミラーを無理やり抱きたくはなかった。好きと愛してるの区別もつかないミラーとの関係も崩したくなかったしな。俺を愛している自信はあったが…ここまで見事に俺のものになると知ってたら、もっと早くに手をだしてたさ」
「ミラー、カシオネを愛してると自覚したたのはいつ?」
「…白魔術師施設でカシオネが死にかけた時…」
「それまで一度も意識しなかったの?」
「気付かなかった。なんで側に居られないのが不安なのかも、相手に恋人ができると失う時間がうまれる不安も、ずっと一緒にいたからだと思ってた」
「ながい道のりだこと。幼馴染も大変ね。でも伴侶間の問題は今のところ無いのね。かなりひどいこともされてるけど心変わりしようという気持ちも無いわけねミラー」
「もし他の人に抱かれる可能性があるならカシオネの命をたてに取られたときぐらいだわ。それも正気ではいられない」
「わかったわ。そんなことはないように努めるわ。次行くから続きをどうぞ」




「アーデラ、アガルス、ちょっといい」
「俺たちは仕事中なんだが…」
「本気出せばあなたたちなら二日分くらいの遅れ取り戻せるでしょうに。過去について聞きたいの」
中央広場へ行く。
「アガルスは女性関係激しかったわよね。特別な感情持った人いなかったの?学生時分は?」
「最初は誰でも特別さ。だけど抱くと嫌気がさしてくる。それは学生時分からずっと同じだ」
「アーデラはアガルスが始めて」
「まさか、恋愛ならいくつもしたわ。でも求められると嫌気がさすの。所詮男ってそんなもんだと。それでも何人かには抱かれたのよ。でも駄目、抱かすと男は当たり前のように女を自分の所有物だと勘違いする」
「あながち勘違いじゃないかもよ。カシオネたちを見てるとそう思えてくるわ。今もそんなあつかい受けてたわ」
「よく、それで耐えれるわね」
「ミラーは言わば赤ん坊から幼児のようなものよ。心がまっさらなんだわ。そのまま恋しちゃったのよ」
「それも信じられない話よ。私は抱かれても始めて私と言う存在を認めてくれる人に出会ったわ。それがアガルスよ」
「じゃあ、過去に未練を残した相手とかはいないのね?二人とも」
『いない』
「声が揃いだしたら、カシオネたちに近くなってるかもよ」
とサンドラが笑う。
『ありえない』
「ところでなんでテルジスが付いてきている?何のための存在だ?」
「私の伴侶よ。ついてきちゃ問題?」
「何も喋らなきゃ餓鬼の面倒でも見てればいいものを」
「テルジスがしゃべらないのはその必要がないからよ。そのことはアガルス。あなたもよく知ってるでしょう」
とりあえず仕事に戻ってもらった。




「後はドルドネかぁ。気が重いな」
「肝心な相手だろう。その為に始めた調査だ」
ドルドネの研究室にいく。もともとサタンデと一緒に使ってた部屋だ。かなり広い。闇の研究物は最終的にここに集まる。
「ドルドネ、聞きたいことがあるのだけど」
「なんだ、サンドラがテルジスと一緒に訪問とは」
「テルジスは気にしなくていいわ。貴方とタッチャの過去について聞いておきたいのだけど。特に異性関係について。チユネの件で懲りたから」
「過去の異性関係って言われてもな。俺は男も女も友達は多かったが付き合ったことは無いぜ。チユネが初めてつきあった女だ。学生時分から娼館通いはしてたがな」
とドルドネ。
「学生時分から?呆れたものね。独房行きよ」
「俺みたいな男は彼女なんてできないと信じてたからな。実際、友達としてじゃなく、女として俺にアタックかけてきたのはタッチャが初めてだ」
「そっか、タッチャは討伐?彼女にも聞きたいのだけど」
「タッチャなら大丈夫だ。俺が処女を奪った。その前の経験はないはずだ」
「真似事だとしたら?処女の真似なんて女ならだれでもできるわよ。よほど大きいもので遊ばれて出血がひどかったとかいうなら別だけど、処女まくを破る音なんて聞こえないんだから」
とサンドラは手厳しいことを言う。
「きつさは本物だった。娼館で初物を体験したこともあるが、そんなもんだと俺は感じたし信じたい。それとも産道を封じたとでも言うのか?」
「それはないわ。産道を封じるのは骨盤を元の位置に戻すのと子が生まれるために開いた傷を修復するのが目的。処女に返るのはその副作用のようなもの。骨盤の開いてない人間にいくら魔法をかけようが処女には戻らない」
「子供を産んだ経験は無いです。それに私も男女問わずに友達は多かったけど、付き合って欲しいと言われたことはありません。だから自分には自信がなかった。ドルドネが私の初めての人なのは私が誓います」
とタッチャ。
「いつのまに来たの?」
「真似事だとしたらあたりから壁際で聞いてました。今日はもう休みだから子供を連れて様子を見に来たの。だけど…私疑われてるのかな」
「ごめんなさい。謝るわ。二度とドルドネに同じ思いはしてほしくないから聞いてるの。付き合って無くても好きな人とかはいなかった?」
「居ました。いつも一緒に馬鹿やってよく独房に入れられました。でも彼にも好きな子が居てそれが私の親友だった。紹介しました。今でもつきあってるはずです。だからチユネを許せなかった。私は二度目の失恋をしたことになるのに、それをあっさり裏切ったから」
「独房って何やってたのよ」
錬金術で失敗して爆発させたり、薬学で人を実験台にしたり、他は…禁術の研究で魔法を実行してみたり…かな」
「かな…ってタッチャあなたはかなり問題児だったのね」
「はい。喧嘩も魔術も平気で教室で行うような馬鹿でした」
「…よく白魔術師になって問題起こさないものね」
「だって…チユネが止めるんだもの。ドルドネの前でまさかそんなにひどかった人間だとは知られたくなかったし」
「気付いてたよ。お前の魔法の使い方はすでに人を相手してるものだったから。それなりの経験はつんでたなとは思ってた。そんな問題児だとは知らなかったけどな」
「まぁ、いいわ。信じていいのね」
「はい。産婆屋で言ったこと嘘、偽りはありません。今度こそ幸せにして見せます」
タッチャはこつんと叩かれる。
「なんで叩くのよドルドネ」
「それは男の台詞だからだよ。俺がお前を幸せにする」




「とりあえず、今度こそ問題はなさそうだけど私達の間の検証はどうなるのかしらねテルジス?」
「俺はそれなりに遊んでいた。本気なのはいなかったがな。それはお前もおなじだろうサンドラ」
「そうね遊んでたな。やっぱり本気になれる相手はいなかったけど、他の女に負けるのはとっても悔しかったから、それなりに何事も磨きをかけてきたつもりだわ」
「惚れた男のために、処女でいようとか思わなかったのか?」
「テルジスも男ね。初めての女が良かった?でも初めてって1回だけよ。後は右も左もわかんない女が残るだけ。それなら経験つんで好きな人と一緒に昇りつめたいわ」
「お前らしいな」
とテルジスが笑う。
「私が本気で甘えるのもテルジスだけよ」
と抱きつくサンドラ。
「始めての夜、お前の激しさと、脆さを知ったからな」
そう言うとあごを持ち上げ口付けをした。




「なんだったんだろうね。今日のサンドラ」
とミラー。
「おせっかい焼きが、おせっかいを発動したんだろう」
とカシオネ。
「そんな魔法あるの?」
「おい、人間学の言葉だぞ」
と呆れるカシオネ。
「あー、はいはい。おせっかいね。わかるわかる」
ため息をつくカシオネ。
「意味までわかってるのか?」
「世話を焼く。でしょう」
「一応わかってるんだな。来いよミラー」
「無理、卵がこげちゃう」
カシオネが歩いてくる。火を消して蓋をする。
「すぐ、食べごろになる」
ミラーには悔しいことだが、カシオネの方が料理は上手だ。そのまま口付けしてベットに運ばれる。
「朝のはどこに消えたのよ」
「朝は朝、夜は夜だ。食事の前に一回…」
そのまま口づけする。ミラーは諦める。だいたい二人で休みを取り、用事がないとこのパターンだ。
「明日も休みをとってある。おやじに呼び出されてな。また錬金術の訓練だ」
「もう立派な錬金術師なのにね」
「まだまだフォレストでは半人前だけど今度の課題は汝を自由に解き放てってって薬さ。モモを助けた、あの時の薬だよ。長女と二女が既に習得してるが俺が覚えれれば男兄弟で初の習得者になる。絶対覚えてくるさ。カルラナのことも気になるしな」
それだけ言うと体中に口づけをしてくるカシオネ。話を聞いたミラーはただ祈るように愛を受けた。




狩りから帰るとカシオネがスパゲティを作っていた。素材の味を生かした自然料理だ。ミラーの作るのとは少し異なる。
「カシオネ?どうだったの?」
「マスターしてきたさ。カルラナの奴も測量器を使ってだが基本測量を一分ですませてた。四歳になるころには測量器がいらなくなるぞ」
「それ早いの遅いの?」
「フォレストの中じゃ遅い。だが楽しんでる。楽しくて仕方ないみたいだ。それならフォレストで使える人間になれるさ。ほら食べるぞ」
「うん。使えなかったらどうするの?」
「狩りに回るか、畑仕事に回るかだな。どちらにしろ無駄な人材にはならない。俺は錬金術師になってほしいけど。その為に手放したんだ。」
「うん…そうだね」
「今日は疲れた。早く寝かせてくれ」
「くすっ、いつだって私はそれでいいのに」
「俺、無理させてるか?」
「ときどきね。あれだけ責められれば当然でしょう」
「すまないな。だが俺にはミラーしか考えられない」
「わかってるから、受け入れてる」




二人は寄り添い、その晩は静かに眠りについた。












60
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http://d.hatena.ne.jp/MitamaToki/20140209
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