勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 58

「んー、カシオネ?」
口付けをしてくるカシオネ。そのまま服が脱がされていく。
「徹夜勤務じゃなかったの?」
「ああ、今帰ってきた。どうせ朝食、取らないのだろう。このままいかせろ」
「カシオネは三食抜いてるでしょう?何か作るわ」
「やだ、お前が欲しい」
「もう、ん」
「休みだ。それから寝るさ」
「はぁ、休んで…から…んくっ」
口付けを再びされるミラー。そのまま喋るどころじゃなくなってしまった。




「ミラー、いる」
とサンドラの声。ガウンをかけて開けるミラー。
「昼間からお楽しみ?飽きないわね。あなたたち」
「朝からだよ、今は眠ってた」
机に向かう二人。
「起きないわね?」
「徹夜明けで求められたから、結構疲れてると思う。寝かせといてあげて」
「呆れた。徹夜で帰ってきて、そのまま?」
「それも食事もしてないはず。でも二人で休みの日はだいたい…もともとだけど、今は落ち着かないのもあるかな」
「また、なんかあった?」
「この前、私が死にかけたでしょう。あれからだいたい続いてるかな」
「もう一ヶ月も経つじゃない。ミラーも難儀ね」
「考えたことないわ。求められること自体は嫌いじゃないもの」
「はいはい。ごちそうさま。それでどこか食事いかない?アガルスも落ち着きそうだし八人で」
「…んーここでバーベキューでもしたら?片付けるの大変だけど気楽よ?人間界から材料は買ってくるから」
「それいいわね。ついでにビールも買ってきてよ。好きなの」
「そこまでいくと…どうせなら皆で行かない。テルジスなんか初めてでしょう人間界?ってバーベキューわかるのサンドラ?」
「五代前に人間の血が混じってるもの。一応わかるものは、わかってるつもりだけど?」
「何を二人で話してる?」
「もう、起きたの?」
「お前の吐息が聞こえなくなったからな」
「あーごめんね。やっぱり一人じゃ落ち着かないよね」
「貴方達ってほんとに子供みたいよね。お互いがいないと眠りも覚めちゃうなんて。やることはやってるくせに」
「ほっとけ。落ち着かないものは仕方がないだろう」
「カシオネ、八人で買い物行くわよ。人間界に。って言ってもチユネもサンドラも子供居るし、男が荷物持ちしてもらうわけだけど」
「何をいきなり思いついたんだ」
と頭をかくカシオネ。
「バーベキューしようと思って」
「何だそれ?」
「炭火の串焼き」
「人間界まで行く必要があるのか?」
「だって人間界じゃなきゃ、私が揃えようがないもの」




「勝手に三人で決めて、なんで俺たちが手伝うんだ?」
とアガルス。
「いいじゃない。初めてでしょう。休み取ったんだし、つきあってよ」
「俺は構わんが、人間界なら魔法庁見学で誰でも行ってるはずだろう?」
とドルドネ。
「そんなのあった?」
「俺たちは兄弟学年の引率研修で行くだけだな」
「兄弟学年って?」
とチユネ。
「学校で随分違うみたいだね。先輩が後輩を引率して学校へ案内するの」
「実践も多かったんでしょう?ほんと学校によって違うよね。私なんて移動練習と発動練習しかしてないもの」
「そこで切符買って」
「全く読めんのだが」
「あちゃ、人間学もしてないのか」
「選択だったからな」
ミラーは全員分の切符を買うと、一人一人に渡していく。そしてマーケットにやってきた。
「向かい側がスーパーだし、ここらで全部そろうと思うわ」
バーベキューセット2つに炭火を追加しビールとワインを買う。スーパーでは野菜と肉と果物とジュースを買って終わらせる。
「これだけの量を箒で運ぶのは至難だ。駅の魔法使い部屋から施設に移動するぞ」
とアガルス。
「なんと効率的なことを思うのかしら」
とミラー。
「魔法使いなら思いついて普通でしょ」
とアーデラ。
「お前いつもどうしてたんだ?」
とカシオネ。
「えっと一度魔法界に出てそれから施設に飛んでた」
とミラー。
「まぁそれもありだな」
とドルトネ。そして白魔術師施設に八人は飛んだ。




セットを組み立てて野菜と肉を切り串にさす。するとカシオネが焼けやすいものは外に焼けにくいものは内に刺す物だといって差し替える。
「タレはどうする。普通塗って焼くのだけど」
カシオネの顔をみて言うミラー。舐めてみて俺はいらんと言うカシオネ。それぞれ舐めてみるが他は抵抗なさそうだ。
「俺は俺の分も含めて自分で焼こう」
とカシオネ。
「んじゃこっちで俺が他を焼くぞ」
とドルドネ。
「こんな簡単な料理なら、わざわざ人間界に買いに行く必要はなかったんじゃないか?何のための錬金術師だ」
とテルジス。
「そーなの?」
と聞くミラー。
「肉も野菜も炭もあるからな。単純なセットだし作れるさ」
とカシオネ。
「じゃあ一杯作って売ったら?野外の家庭料理じゃ一般的よ」
「売り出すのか?」
「売れないかな?」
「おやじと相談してみる」
とカシオネは言った。サンドラは一人でビールを開けている。しまいには子供にまで与えそうになったのでテルジスが慌てて止める。しっかりしているように見えて、一応酔っているのだ。他のものはジュースとワインを開けていく。しまいには好奇心おおせいな人がつまみ食いに来て焼くのは結構大変だ。仕事が終わる時間になるとエンジェルとトワイヤルが来て混ざる。
「美味しいものだな」
「たれの作り方も後で教えとけ。売るならいるだろう」
「自分はつけないのに?」
「つけたほうが一般受けしている」
そんなんでわいわいガヤガヤになってきた料理は材料終了と共に終わった。
「沢山買ってきといて良かった」
「こんなに人がくるなら、中央広場でやればよかったわね」
「これなら作れそうだし挑戦してみるわ」
アガルスとアーデラは顔を見合わせ
「たまにはいいかもな」
という。エンジェルが10セット作るようにカシオネに注文する。それだけあれば白魔術師の半分は参加できるだろうと、そして二人はいつのまにか消えた。




「片づけが面倒だと言ったが、皆でやれば早いもんだ」
とドルドネ。
「中で食べる限り、外にでる必要もないものね」
とチユネ。チユネは薬を飲んでから、ドルドネの娼館遊びを注意している。アガルスも伴侶をもったことで行かなくなったので行きにくくもなった。アーデラも他の女と遊ぶのを嫌うからだ。ただ完璧主義のアーデラは娼婦の真似事だってする。相手が望めば完璧に応えることは心情としているらしい。でも
「結局どっちが惚れたんだ?」
とドルドネが聞くと、二人して
『あっち』
と指をさすのだった。みんなで苦笑するが、いい伴侶だろう。




部屋に帰ると迷わずベッドに連れて行かれる。
「朝のは?」
とミラー。
「やったうちに入るか。夜はこれからだ」
とカシオネ。
「もう。どうしょうもない人ね。少しは落ち着いて寝ない?」
耳元で
「愛してる。欲しいんだ」
とささやかれて
「私は簡単には死なないわよ?」
「それでも死に掛けただろう」
と押し倒される。
「カシオネ、いつまで求めれば気が済むの?1ヵ月?一年?」
「わからん。わかるのは不安だけだ」
「こんな愛しかたしてたら、いつか力尽きるわよ」
「そしたら寄り添うだけさ、子供の頃のように。だけど俺は簡単に力尽きないぞ。伊達に鍛えてない」
「いやか?毎日も、何度も?」
「私は受け入れるだけよ。カシオネが求める限り…カシオネだって、いつ失うかわからないのだから拒絶して後悔したくない」
「普通ならおやじみたいに14人兄弟とか作ってそうだな俺たち」
「…そっか家系的に基本するのが好きなのね…」
「今頃気付くな」
そう言うと口付けをしてくる。入ってくる舌は熱く絡んできてミラーも応える。それくらいは迷わずできるようになった。でも…
「カシオネ?」
「何だ?嫌か?」
「ううん。そうじゃなくて私は口付けに応える位しかできない。娼婦のような魅力も、もちろんないどころかカシオネに言われなければ、どうしていいかも分からない…そんなんで10年だよ。進歩ない…なのに飽きない?」
「ふーっ、何当たり前のこと言ってる。キスに応えれるだけでもたいしたもんだよ。俺はやり方なんて教えてない。たまに体位を変えさせるが、そんなもん覚えろなんて言ったことないだろう?俺はお前を娼婦に仕込む気なんてないぞ?初めてのときのように、おずおずと受け入れ耐えるお前が好きだ。責められるより犯す方が好きなんだ。だからなにも教えてない。俺しか知らないお前が俺が教えてないのに何ができる。俺の愛に耐えてればいい。それだけで俺は燃えるんだから…わかるか?」
「カシオネには経験があるのに私には経験がない…それが少し不安になる…」
「処女を抱けるのは男の一番の願望だよ。後は自分好みに仕込むだけだ。お前は俺を感じてる、敏感なほどにだ。だから耐えるんだろう。ちゃんと俺好みの女になってる」
「そっか…」
「そんなことで、不安になるな。捨てるときは殺してやる。それぐらいの覚悟も思いやりもあるつもりだ。もうお前は俺なしに生きていけないだろう。それぐらいのことはわかってる。カルラナはフォレスト家にあずけた。最悪、後追い自殺しても受け入れるつもりだ。あの世でもな…そしてできるなら来世でも一緒に居よう。お互いを見つけてまた結ばれるんだ」
「カシオネ…」
「嫌か?」
「ううん…だけどカシオネを失っても私は生きる。カルラナの為に…だから待ってて、私が行くまで」
「待つよ、それくらい。だけど…一緒に死にそうな気がする。最後の最後まで俺たちは戦い続けるだろうからな」
「だから、その日まで俺にお前を抱かせてくれ」
「うん…ありがとう。愛してるわカシオネ」
「俺もだミラー」
そう言うと再び口付けから始まる。




「ミラー、カシオネ開けて!!」
とサンドラの声。急いで開けるミラー。
「何?またやってたの?急いで着替えて医務室へ」
急いで走る二人。
「ミラー心臓マッサージで」
とサンドラ。
「無理よ…あれは死んだ直後から15分以内が基本。二人はもう硬直に入ってるわ。完全に死んでる。だから二人をはがせないのでしょう?」
「アレクシラ先生!何故?」
ドルドネとアガルスとテルジスが飛んで来る
「サタンデさん!」
とドルドネ。




エンジェルが呼ばれる。
「サタンデはともかくアレクシラの穴は埋めなきゃね」
と冷静なことをいうエンジェル。サンドラが
「仲間が二人も死んだのよ!そんなこと後で考えればいいじゃない。二人はどうして…」
「私がどれほど仲間を失ってると思うの。二人のかたきを取るためにも必要なことよ」
「酒のにおいがする二人とも相当飲んでたな。だけどそれで術が使えなくなるか?」
とアガルス。
「私なら酔ってても使えるわ」
とサンドラ。
「俺もだ。結界を破りこの槍は二人を串刺しにしたのか…」
「カシオネ錬金術の可能性は?」
「今度はない。ただの槍だ。量産されてるな…」
「術を破った上で串刺しにしたのか」
そこへエンジェルグループが飛び込んでくる。
「何てことだ…」
「二人まとめて倒したのか?」
「………」
「二人で死ねたんだ救いだろう」
そこへ見慣れない顔が一人
「アレクシラが死んだって?」
エンジェルが
「トワイモラ貴方ソロになって長いわよね。すぐにグループに入ってくれない?水属性の強い人がいるわ」
「構わないけど…私でアレクシラの代わりが勤まる?」
「勤まるまでに、成長してもらわないと困るわ。できれば今すぐにでも」
「かたきをとるのね?」
「もちろんよ」
エンジェルは、はっきり言った。




「ミラー、貴方探索魔法得意よね?」
とエンジェル。
「うん。ここじゃ無理だけど。死んだ場所に行けば…できるかぎり早く」




そしてエンジェルグループとサンドラグループが現場に向かう。後を追うようにトワイヤルが来た。
「休みでしょう?ただ働きよ」
とエンジェル。
「お前の命のが大事だ」
とトワイヤル。軽い口付けを交わし
「ミラー、お願い」
「ここに在りし生命を奪いしものの顔を映し出せ」




「水よ10連の結界となせ」
とアレクシラ。
「闇よ敵の全てを燃やし尽くせ」
とサタンデ。
「闇の攻撃を阻止せよ。そしてあらゆる魔術を通せし槍となれ」
槍が放たれる。かばうようにアレクシラがサタンデをさえぎる。しかし槍は10連の結界をものともせず二人を貫いた。
「顔は見た。直接移動するから戦闘準備して。風よ覚えし敵の居場所へ導け」
目の前に敵、右往左往する数人はエンジェルの炎で焼かれ
「敵の魔法を無効化せよ」
で全ての魔法が消えうせ数人が立ちはだかる。
「光よ10層の守護結界となり迫り来る物質を破壊せよ」
「あらゆる魔術を通せし槍と全てなれ」
と敵。一斉に投げられる槍
「大地よ飛び来る物質を全て破壊せよ」
とトワイヤル。トワイヤルの魔法でほころんでいく槍。だが完全に消えない。しかしミラーの魔法は結界にぶつかると槍を全て破壊した。そこへタリューマが
「光よ一面の炎となりて敵を燃やし尽くせ」
どんどん倒れていく敵。
「大地よ大槍となりて現れよ」
とトワイヤル。狙い違わず一人をめがけて投げつける。逃げようとする敵。
「光よ敵の動きを絡み取れ」
とミラー。そのまま串刺しになる敵。それで戦いは終わった。
「ミラーの魔法よく敗れなかったわね」
とエンジェル。
「精神力勝負。負けたらこっちの負け決まってたから気張った」
「おかげでこっちも助かったしな」
とトワイヤル。
「だが」
とカシオネ。トワイヤルの槍を抜くと土が崩れる。
「なに?!」
「魂の錬金術師がどこかに居る」
とカシオネ。




ここは騎士団施設。そこで話し合う兄弟。カシオネはチールゼルゼに二件の事件を話す。
「それはおやじに頭下げるしかないだろう。中途半端な俺たちじゃ対抗しきれないと思うぞ。一緒に行ってやるから」
とチールゼルゼ。ミラーが
「その赤ちゃん、チールゼルゼの赤ちゃん?」
「そうだよ。もうじき2歳になるがな」
「一人の女に決めたのか」
と驚きを隠せないカシオネ。
「そう驚くな。最初から最初に身篭った女を伴侶にすると決めてた」
そう言いながら赤ん坊を抱いた女を前に押し出すチールゼルゼ。
「騎士団の中じゃ結構強いんだぜ」
「…避妊してなかったのか…兄貴は…」
と呆れるカシオネ。
「もちろん学生の間は避妊薬飲ませてたよ」
と苦笑しながら
「紹介がてら家に戻るさ。二人目は預ける気だし」
「二人目もできてるのか。もう遊んでないんだな」
「遊んでない。今は一人いれば充分だからな」




その後、兄弟二人にはどういう経緯で倒したのかはわからないが、フォレストの威信にかけて魂の錬金術師は倒したと連絡だけ届いた。












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