勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 62

「あつっ、はぁはぁはぁ」
のしかかってくるカシオネもおなじ息の荒さだ。それが一緒に整っていく。やっててこの瞬間が一番好きだったりする。一緒に心臓の音も静まっていく。
「子供ほしー。そしたらこんなに、求めなくてすむかもなのに」
ミラーは頭を抱きしめる。
「ごめんね。でもきっと求める回数は減らないわよ。カシオネの下手な愛情表現のひとつだもの」
何度となく、繰り返されてきたやりとり。切なくなる。ただ口付けを求められ応える。そして再びカシオネの愛撫が始まる。どれだけ抱いても子供はできない。だから入ってくる瞬間耳元で
「ごめん。お前のせいじゃない」
とささやく。それも、もう慣れた言葉だった。




「ふーっ」
と狩りの準備をするミラー。ドルドネが闇の研究の中心になって以来、また一人で狩ることも多くなっていた。もちろん厳しいときはドルドネかカシオネかがついてくる。ドルドネの一時期不安定だった狩りもタッチャを伴侶にして以来、落ち着いている。むしろ男と女の関係はチユネのときより深まっていて朝はだるそうにしていることも多くなった。それで術をしくじる回数は減っているのだから男とは強い。時期にタッチャも妊娠するだろう。そうすれば、ほんとの意味で伴侶となれるはずだ
「今日の狩りは大食いコウノトリかぁ」
人間の赤ん坊を食べてしまう。人間にとっては害鳥だ。だがそのくちばしこそ底なし沼の袋やトランクの材料となる。最近一人で狩っても、二人で狩っても取れる量が違うだけでさほど問題なくなっている。心臓を直接狙うからだ。
「風よできる限りのコウノトリの心臓を切り裂け」
ばさばさと倒れるコウノトリの群れ。船を転送袋からだすと乗り込みコウノトリを拾っては転送袋に入れていった。明後日には討伐組が出るので明日もう一度狩っておきたいところだ。




狩りと討伐ではかなり異なる。討伐は殺せばいい。腐臭を防ぐため持ち帰り処分することはあるが山間では放置だ。それにくらべ狩りは傷つける部分を最小限に抑えなくてはならない。肉として売るにしても錬金術の材料にするにしても美しいのが好ましい。そして当然だが持ち帰らなくてはならない。




「!光よ熊に死をもたらせ」
の瞬間呪文を使う。熊はばったり倒れた軽量呪文をかけて転送袋に放り込む。




「ミラー、これは何だ」
「熊よ。それもただの熊」
「襲われたのか?」
「じゃなきゃ殺すこともなかったわ」
「無事でよかった」
そういうと口付けしてくる…唇がなかなか離れない、少し抵抗するミラー、体を押さえ込まれあごを固定されて続く口付け…そのまま押し倒されるかと思ったが
「あのー、分解に来ました」
と数人の錬金術師が扉を開ける。カシオネが唇を離して
「頼む」
と言った。熊は廊下に出され
「大地よくまの血を手より排除し風よ熊の前足を切り落とせ」
カシオネは術と術をつないで使う接続呪文を完全に身につけてしまったようだ。
「さすが、カシオネね」
「熊の手を切ることがか?」
「魔法がよ。熊の足きりにはもったいない」
「それより畜産部門までつきあえ運ぶから」
畜産部門に運ぶ。手はと聞かれると
錬金術の練習に使うので貰った」
とカシオネ。
「畜産部門でも手は欲しいんだぞ。次は切り落とさないでくれ」
そう言われて二人は帰ってくる最中、また口付けをされる。されるがまま五分程度か首筋にキスマークをつけられ止まる。
「カシオネ?また何かあったの?」
「夜といい、今といい?」
「ちょっとな…やっぱりこのまま抱かせろ」
「ここで?絶対、誰か通るよ…」
「そんなこと知るか」
首筋に唇をはわせるカシオネ。そのまま服を脱がしていく。触れる胸が唇と合流するとカシオネの手は女の敏感なところにいく。カシオネに体重をまかせひたすら耐えるミラー。声もださない。こんなところで抱かれてる時は声もだせない。ミラーの残ってる羞恥心が声をおさへこませた。それさえ楽しんでるかのようにいたぶり続ける。何人か通り過ぎる人たちが、ジロジロ見ていくのさへたかまる感情の餌にしかならなかった。




『カシオネ』
と同時に二人の声。ひとつはサンドラの声。
「連絡が来てみれば廊下でやってる人が居るって就業時間中のお遊びは注意したはずでしょう」
「今日は俺の出るほどの仕事が無くて暇してたんだ。そこにミラーも狩りを終えてきた。ほっとけ」
そう言ってる間も手は休まない。ぐちゃぐちゃとやらしい音を立てていてミラーはサンドラに
「ごめんなさい」
それを言うのがやっとそうだ。
「カシオネ先輩。そんな女のどこがいいの?カシオネが外で抱きたいなら私も応えられるわ。子供だってできる可能性はある。私は純潔よ、しかも錬金術も選択してた。フォレスト家に入れるわ。それに若いし、彼女より綺麗よ。ミラーへの手が止まる。
「耐えてろ」
そう言ってミラーを立たしたまま相手のところへ行く。
「それだけ言うなら試してやるさ」
そう言って首筋にキスをしながら服を脱がしてく。
「カシオネ、それはミラーに対する裏切りよ」
とサンドラ。相手の胸をいじりながら
「だから耐えろといった」
相手の女は欲に忠実だった。カシオネの唇を手を感じ取って素直にあえぐ。そのうち女から唇を求めるがカシオネは応えない。女はカシオネの上着を持ち上げ、唇がカシオネの体をはう。それでも平気な顔をしてカシオネは相手をいじって行く。そのうちたまらなくなって女はいった。そうすると、すとんとカシオネが動きをとめる。
「何故?カシオネ途中でやめちゃうの。あなたが欲しい。私を最後まで抱いてよ」
「いつ最後まで抱いてやると言った?試してやるとは言った、いかしてやったそれで十分だと思え」
「そう言うとミラーに深い口づけをし」
「いい子だ。大丈夫か?」
「体中が熱いどうにかなりそう」
と体を抑える。
「当たり前だ。いきかけてる最中に他の女との交じりを見せられたんだ。体は余計熱を持ち相手を求める。だが服を着ろ。今はここまでだ」
ミラーは服を着る。だが足に伝った愛液がミラーが敏感に反応していることを伝えてくる。
「ちょっとこれじゃ、ミラーは飼い殺しじゃない」
「サンドラ、止めにきたんじゃないのか矛盾してるぞ。いいんだよ。これで。どこかの女と違って先にいったりはしない。俺が入ってくるまで耐え続けるそれが男をそそるんだ。埋め合わせは夜する」
「なんで?私の方が情熱的じゃない。さきにいったけど何度だっていけるわカシオネを愛する事だってできてる。お互い求め合ってこそ自然よ。耐えてるだけの女に何の魅力があるの。第一そいつは子種を無くした捨て駒よ!いつまですがりついてるのよ」
カシオネの顔が一瞬険しくなり、女に蹴りが飛ぶ。だが受けたのはミラーだった。二メートルほど飛ばされる。
「ミラーなんだってかばう。大丈夫か」
内臓物を吐き言葉もでないでいる。
「俺の為にここまでできる女はいない。捨て駒にはならない。俺が愛する唯一の女だ」
「何よ、私は諦めないからね」
そういうと立ち去る女。
「ミラー…」
「大丈夫よ。それこそ赤ん坊が入ってるわけじゃない」
「それより感情的にならないで、あんな蹴りいれたら独房行きよ」
「今のでも充分に独房にいれたいところだけど、それじゃミラーが体をはった意味がなくなるから。もう行って大丈夫ね?」
「ああ、すまない」




その夜のカシオネの抱き方は昼間の埋め合わせをするというより、何かがあったときに求める激しさが復活していた。




「カシオネ先輩。今日こそ、ちゃんと抱いてじゃないと後悔するわよ」
とぺらぺらと一枚の紙。
「まってろ、今は手が離せない」
一時間もしないうちに飽きたのか測量台の上に紙をおくと女は消えた。手が空いて紙に手を伸ばす
「おやじからか…」
お嬢さんが望み、カシオネが納得するなら伴侶を変えてもかまわん。だがカシオネを本気で愛せる自信があればだ。あれはきついぞ。家にカルラナもおる。その子を愛せることも条件じゃ




女の部屋を訪ねるカシオネ
「先にこれを飲め。抱く条件だ。避妊薬だ。効くまで10分ほどかかる。茶でもいれろ」
「私はカシオネの子が欲しいのよ。避妊薬なんか…」
「飲め。種馬になるのはごめんだ。認知する気もない。おやじを先に落としたつもりだろうが、おやじも俺の性格は知ってる」
「わかったわ…」
「静かに茶を飲む二人」
だがカシオネの顔は不機嫌そうだ。そろそろいいだろう来いとベッドに引っ張っていく。乱暴に投げ捨てたかと思うと下着だけを脱がしいきなりカシオネは自分のものを突っ込んだ。
「や、痛い、ちゃんと愛して、こんなのひどい…」
終わると
「希望はかなえた。これで終わりだ」
「ひどい。こんなの乱暴されただけじゃない」
「俺は…そういう人間なんだがな。まだ優しい方だぞ。今度抱かれたいなら鞭打ちくらい覚悟しとけ」
と言って出て行った




部屋に帰るとミラーがいない。こちらにも手紙がきていた。
カシオネを好きなお嬢さんがいるらしいな。できれば身を引いて欲しい。カシオネにはまだ未来がある。
くしゃくしゃに丸けて床にほうる。ミラーなしに何の未来だと思う。
「そう言えば今日の狩りはダルマリルか…」




ミラーが木に寄りかかっている
「ミラー…」
「カシオネ…狩りが上手くいかなくて」
カシオネは下着だけ急に剥ぎ取ると女と同じように抱いた。それどころか
「よつんばいになれといい」
うしろも犯す。そのままカシオネのものが、はなたれるかと思う前に男が抜けた。二人に緊張が走る。そして
『大地よ狼のできる限りの心臓を止めよ』
と重複呪文。一面の狼たちが死んでいく。
「光よ大地に置かれし狼を白魔術師施設、処理室に転送せよ。ダルマリルって夜間狼だったのね。昼間探してもいないはずだわ」
「すまない。朝きちんと説明し忘れたな」
「私も悪いのよ。ちゃんと聞き返さなかったから」
「不機嫌だったし、仕事を始めていたから」
「うん」
「ミラー?痛くないか…その前も後ろも…」
「痛いわよ。当たり前なこと聞かないで」
と赤面するミラー。
「それでも続きいいか?」
ミラーは優しい顔して
「うん」
と応えた。うしろにも放たれる。カシオネのものが血と交じり合いあふれてくる。
「お前は文句一つ言わないんだな」
「始めてじゃないもの。時々カシオネは意地悪をする。それに…手紙を読んで来たのでしょう」
「ああその苛立ちもあるが…女を抱いてきた。同じ方法で…乱暴されたのと変わらないと言われた」
「くすくす、それじゃカシオネの相手は務まらないわね」
「まったくだ。俺の伴侶はお前だけだよ。ミラー」




「あの女から報告を受けたからわざわざ伝えに来たのにミラーにも同じ仕打ちをしてるなんて、女としてゆるせないわ」
とサンドラ。
「そんなにいきりたたないで。カシオネの下手な愛の確認。みたいなもんなんだから」
とミラー。
「ミラー、あなたってなにされても平気な顔して笑うのね」
「それが惚れた弱みよ」
「カシオネだって惚れてるはずでしょう我侭言ったって…こらしめてやろうと思ってきたのに何処行ったのよ」
「フォレスト家に戻ってるわ。あの子の書いた手紙の訂正と課題をこなしにね」
「ミラー少しはやめてとか、嫌とか、許してとかいう?」
「たまにね?」
「耐えてるだけでしょう。言わなきゃ駄目よ。じゃなきゃカシオネの乱暴は治んないわよ」
「別に必要ないし、むしろ喜ばせるだけだわ」
「必要ないってミラー自分がなにされてるかわかって言ってる?」
「わかってるつもりよ?普段は優しい人だわ。何かあると激しくなる理由があると乱暴になる。楽しんでるときは苛める余裕が生まれる」
とミラーはあっさり言ってのけた。
「でも彼はどっちかというとサディスティックよ。その傾向がある」
「それは承知してるわ。でも性的によ。他では表れない。だから私にとって昔と変わらないのよ」
「駄目ね。ミラーと話しても。全部、受け入れちゃってるんだもの。今回だって別れろと言われれば別れたのでしょうし」
「あの子が綺麗で、情熱的で、若くて、子供が生める事実がある以上ね」
と困った顔をするミラー。




ピシッと平手打ちがくる。サンドラがカシオネにしたことだ。
「まず相手から誘われ様と乱暴な行為はゆるされるもんじゃない。ましてやその足で伴侶に同じ行為をするなんて考えられないわ」
とサンドラが怒る。
「俺の本質を教えただけだ。そしてミラーに確かめた反応の違いをな。ミラーは従順だぞ。抱くことに限ったことじゃないが。俺の求めてるものがそこにあると確かめて何が悪い」
とカシオネはムスッとしている。
「優しくなれないの?相手を傷つけるような真似して愛を確かめてそれで従順だからと納得するの」
「ずっと一緒に居た。離れることなんて考えられなかった。抱いて怖かったことは離れていくことだ。エスカレートしてきてるのは認める。それでもミラーは一緒に居た時間を忘れない。俺が求めてるものを全身で受け止める。自分が怖い。それを承知で与えてる行為だ。止められるなら止めてる。優しく抱くだけですむならそうしてる。俺だって不安なんだ」
とカシオネが真剣な顔で言う。サンドラが複雑な顔をして
「狩りの時の呼吸はどうしたの?お互いの絶対の信頼感。それだけでも充分じゃないの?」
「これがただ一緒に側に居続けた。ただの親友ならな。だけど俺は領域を乗り越えた。俺は女としてミラーが俺を受け入れてるのを確かめずにはいられない。俺の苛立ちや、怒りや、苦しみや、辛さを受け止めてくれる人として俺はあいつを求め続ける。だから普段は優しくいられる。だけど…なにかあるとひどいことをしちまう。いや…普段もひどいことするな。結局は俺の本質なんだろう」
「普通の女は耐えないわよ。ミラーだから耐えてる。貴方を絶対的な指針として生きてきたミラーだからこそよ?」
「わかってる…」
「確かめる必要なんてないのよ?ミラーの態度が示してる」
「わかってる…俺の側で大人になると言ったんだミラーは何一つ本来なら確かめる必要なんてない。実際俺の元で育って俺を自然に受け入れた。後は愛してると自覚するだけだった」
「そして今は愛してると自覚してるでしょう?」
「ああ、自覚してる」
「なら信用してあげなさいよ。絶対的な愛を傾けるミラーを」




「おかえりなさい。思ったより遅かったね。残業でも入った?」
とミラーはいいながらミートソースをかけている。
「スパゲティの手抜きだな」
「あは、でも時々食べたくなるの。ソースは1人前を二人でわけてるから食べられるでしょう?」
「ああ、サンドラに怒られてた。信じろと」
「カシオネは信じてくれてないの?私の事」
「ときどきひどいことをするからな俺は」
「私は大丈夫だから好きにするといいわ」
「そんな事言うから、止まらないのかもな」
「じゃあ、まったかけてやめてくれたことなんてあるの?」
「…ないな。それでもいいのか?こんな俺で?」
「愛されるまで自覚しなかったことよ。お互いに…でも、だからといって愛せないわけじゃない」
「愛してるのは確かさ。でも昨日みたいなひどいことをする」
「比べたかっただけでしょ。どっちがより好みか愛してるか。それに縄で縛られて拷問されたこともあるわ。もう怖いものなしだと思わない?」
「あの時は…本当にすまない…二度としないから…」
「私は綺麗でもないし、情熱的でもない、若くもないし子供も産めない。愛を受け止めるくらいしか芸が無い。だから気にしないで」
「ミラーは美人じゃないが今でも可愛いし、まだ歳と言う年齢じゃない、子供が産めないのはもとより承知だ。五,六人の黒魔術師と一人で立ち回る女が自分の男以外と口付け一つできないほどの潔癖さと、どんな責めにも耐える従順さがあると知ればたいがいの男はほっとかないだろう。俺は最初にそれを手に入れた幸せなやつだよ」
「そんなんだから危険因子登録されたんだけどね」
「いい魔よけだよ」
「カシオネ?愛してくれてる」
「愛してるよ。いますぐ証明しようか?」
「ううん。むしろ禁欲して一ヵ月」
「本気で言ってるのか?」
「うん」
「…わかった。後でどうなるか責任持てんぞ」
「くすくすくす」
「何がおかしいんだよ」
「サンドラが我侭言ってみろというから言ってみただけ。迷わず、決断できるなら大丈夫よ」
「…責め立てるぞ…こら」
「それにも慣れっこです」
「それもそうだな…」
「それであの子はどうなったの」
「濡れてもいないところに、無理やり突っ込んだんだ。普通の女ならもう近寄らないさ」
「そっか…私は普通じゃないのね…」
「俺の女だからな…そんな風になったんだろう」
「解決したなら今日は優しい方がいいな」
「禁欲はどうした?」
「したくなければ胸に抱かれて寝るだけよ」
「それで充分なんだよな」
「うん」
「俺が我慢できない」
「いつもね」
「おやじに言ったら、そんなことになるだろうとは思っていたそうだ。白魔術師になると連絡を受けたときにはすでにミラーしか見えて無かったって」
「人生の岐路、変えさせちゃったものね」
「自分の意思だよ」
「その頃から気付いていれば…私は変われたかな?」
「変わらないだろう、その時にはもう俺しかみてなかった」
「そっか」
「そうだよ…本当に気付くまで待つ、つもりだった」
「うん。でも今でも気付かなかったかもだけど」
「そしたら押し倒してたさ…結果は同じだ」
「うん。愛してる」
「ああ、愛してる」
















61
http://d.hatena.ne.jp/MitamaToki/20140208
http://sns.atgames.jp/diary/25570616






63
http://sns.atgames.jp/diary/25594801