勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 転生編3-5

七年生になったある日。学習室で例のごとく、毎度学習に打ち込むのだが、ミラーの集中力が足りない。教科書とノートを見直しては何かに手をつけようとして、また教科書に戻る。そんなことをしていた。
「ミラー考え事か?」
「ううん。さっきからお腹と頭が重いように痛くって集中できない」
「…ミラー立ってみろ」
そういうとスカートをめくる。
「キャッ、何見てんのよ」
と真っ赤な顔のミラー。
「始まってる。早めに気付いて良かった。ほっとけば服まで血に染まってるところだぞ。医務室に行って来い」
と真面目な顔でいうカシオネ。
「い、行ってくる」
とミラーは学習室をでた。




「男の子に始めてを、気付かれるなんてショック…」
「スカートめくられたのカシオネなんでしょう?ミラーの下着姿なんて、見慣れてるんじゃないの」
と先生。
「水泳の練習をしたときに、一度下着姿になって泳いだけどそれ以外で見られたことはないわ。しかも血に汚れた下着を見られるなんて…」
「……経験ないの?その…抱かれたこと、ないの?」
真っ赤になりながら
「そんな経験ありません」
「驚いたわね。教室で濃厚な口付けをして問題になったのは去年だったわよね。二人は結ばれていると誰もが思ったはずよ。魔法言語の先生は自制が足りないと言って嘆いてたけど、貴方達なりに自制はしてたのね」
と笑う。医務室の先生は優しい。
「着替え済みました」
染み付いた血がもう少し遅ければ服に確かにうつっていただろう。なんて勘のいい人だと呆れる。
「下着はそこで下洗いしていいわ。そしたら、洗濯場に専用の置き場があるからそこへ置いてね。お金は後でもいいけど…」
「置いてくるついでに、お金は持ってきます」
とミラーは部屋をでていった。医務室にお金を払い、学習室に戻る。




なんかもじもじして落ち着かない。でも礼は言うべきだろう。
「その…なんていうか…ありがとう…早く気付いてくれて」
「パターンだからな抱けば10歳。抱かなきゃ13歳。何度生まれ変わってもそうだ」
「おめでとう。これで体も大人になった。だからもっとシャンとしろ。毎月来るんだ。その度に集中が欠けてちゃいけない。学習も決闘も運動も普通に行う。だから普通に神経を集中できるようになれ。もじもじしてるな堂々としてろ。それだけ守れれば後は誰にも気付かれないはずだ」
と手厳しい一言がカシオネから返ってきた。そして耳元で小さく言われる。いつもの吐息がない。
「始まった時と終わった時は俺には教えろ」
「なんで」
と真っ赤な顔のミラー。
「当たり前だろう。お前のフォローは誰がするんだ?第一知ってなきゃ抱けないだろうが」
とこれも耳元で言われる。ああ、そっか…今日の日を一番待っていたのはカシオネなんだ。ミラーは自分が抱かれる日が近いことを知った。学習に集中していく。具合は悪い。でもこれに負けたらミラーの未来はない。何のために、術者の道を選んだかわからなくなる。カシオネの言うとおりだ。




その週の土曜日は少し女の子が残ってたのでそのまま胸に抱かれて休む。カシオネの腕の心地よさといったらいつになく良かった。カシオネの心臓の音と一緒に愛おしさが伝わってくる。不思議だった。午後は狩りに出る。小動物集めじゃなく、少し強い生き物を狩りだしたのも最近に入ってからだった。
『大地よ狼の心臓を石に変えよ』
一匹倒れる二人で袋に入れて木に登る。
「次、団体でくるぞ。一匹一匹確実に仕留めていくからな」
「うん、わかった」
「まずは木に一番高く飛び上がってくるやつから」
『大地よ狼の心臓を石に変えよ』
一匹倒れる。
聞かなくても次も同じだろう。
『大地よ狼の心臓を石に変えよ』
また倒れる…片付いた時は夕方だった。
それから一匹一匹袋に入れる。終わったのは夜、更けてからだ。
「夕食を食べ損ねたな」
「思ったより時間かかっちゃったものね」
「最初は仕方ない。重複呪文使っても一匹、一匹がやっとだからな」
そう言うと木に押さえつけられ、口付けをされる。激しい、受け止めるのでやっとだった。ただ自分も体が熱を持って鼓動が激しくなる。
「お前が欲しい。長い一週間になりそうだ」
とカシオネが言った。




その一週間は本当に長かった。カシオネの口付けが違う。今までの余裕がなかった。ただ求められてる。それだけは感じずにはいられなかった。それが土曜の朝には戻っている、執拗でとろける様な口付けに。ミラーはそのまま相手を受け入れそうだったが、カシオネの言葉に我に変える。
「今日、お前は本当の意味で俺のものになる。何よりお前の心が欲しくてたまらない。今度は俺も子供だから辛くはないと思うけど…先にいくって意味教えてやるよ」
そうするとまた口付けから始まる耳を愛撫され首筋に唇は流れ手は胸をもむ。服が乱暴にはがされ、さらけだされた胸はさらに敏感になり乳首をいじられるだけで変になりそうなのに、鎖骨から徐々に胸に流れ乳首を吸われ転がされる。
「ひゃっ、あん、カシオネ、それ駄目」
「言ってろ。やめる気なんてないから」
そう言うと。もう片方の胸にいく、片手は胸をいじり、片手は女の場所に忍び込む。
「ちょっと、カシオネそこは…」
「いかしてやる」
カシオネが女の一番敏感な場所を触ると
「ん、痛いよ…」
「初めてだもんな痛みに感じるか…ならこっち」
と言うと女の中に指を差し込む。
「そこも痛い、カシオネ…」
「少し我慢して凄くよくなるから」
狭くって硬い場所が少しずつ柔らかく濡れていく。
「あ、ああっ、んー、ああ、はぁ、あんっ、や、やめて変になる。あ、ああああっ!」
体がビクンとする。鼓動が早く息切れが止まらない。体に震えまできて気が遠くなりそうになった。
「変になるわけじゃない、それがいくって感覚。本気で苛めるから耐えてね。たぶんいきまくりの地獄だろうけど」
そう言うとミラーの腰を持ち上げて舌でさっきの敏感な場所を愛撫される。
「い、いや、駄目…ああああっ、ひっく、あう、あああっ、はう、あん、ああああっ、はぁはぁ」
舌は女の場所に行き…舐められ進入される
「ああああっ、狂う、許して、ああ、あん、ああああっ、ひーっ、あう、ひっく…」
ミラーは気を失った。目が覚めると口付けしてくるカシオネ。胸を触りながら
「お遊びはこれで終わり。ミラーをもらうよ」
そう言うとおんなのそこを指でかき回す。一本、二本、三本指が突っ込まれぐるんとかき回され広げられる。
「カシオネ、痛い」
「痛いのはこれから…入るよ」
「あああっ、大きい、痛い、きついよぉ」
「言いたいのがそれだけなら動かすよ」
少しずつだけど徐々に激しくなる上下運動に体が揺れる。ぶち当たる音といやらしい音が入り混じり、痛みが熱を持って快楽に変わっていく。何よりカシオネに抱かれている事実が高揚感を増す。長いこと、姿勢を変えられては突かれていたが、最後は押し倒された時の形に戻り
「ミラーいきたい。きて」
その吐息だけでいきそうになる。
「ああああっ、んくああーっ!」
「つっ、うぁ」
中に放たれる男のものを感じながら
「わかる入っていったの」
「うん…」
といい二人は口付けをかわす。そしてまた始まる。二人は夕食の時間まで繰り返していた。おおいかぶさるカシオネ。
「今の体力じゃ、さすがに限界だな帰ろうか」
ミラーがカシオネに触れるような口づけをして衣類を着ると、カシオネからは熱い抱擁が待っていた。




食堂に戻って食事をするときはもう普通のカシオネだった。すこし顔色が悪い。
「カシオネ、具合悪そう?」
耳元で
「やりすぎで疲れてるだけだ、大丈夫」
それから毎週のように抱かれたが、半日潰すような真似はしなかった。それでもカシオネは変わっていった。男らしくなっていったと言うべきか、色艶がうまれてきたというべきか、それに加え、さらに大人っぽく、さらに冷静に行動するようになった気がする。錬金術をする日も増えた。カシオネがミラーを側から放したがらなかったので錬金術をする日は錬金術室で勉強をするようになった。はたから見ればミラーも変わっていってた。女らしく、かわいさが増したようだ。そして何より彼女も落ち着いた。どこかびくびくしたところがなくなり、少々男達に声かけられてもすぐ術をかけることも無くなった。それは隣にカシオネがいつも居るせいも大きかったのだが。




八年生になると周りの環境も激変する。恋の時期が本格的に到来していた気の早い子は体験をし、そうでなくても教室で口付けを交わす子も少なくなかった。カシオネたちの影響を受けている。先生達は取り締まる訳にもいかずに困り果てていた。カシオネがストックしていた避妊薬がクラスメイトに売れ始めたのもこの頃からである。その日は天気が悪く、教室の空き部屋でしていた。
「カシオネは私に避妊薬使わないね…」
「…使って欲しい?」
「子供…できたらどうすればいい?」
「俺の子だ。退学してでも産めばいい。後は俺がどうにかする」
「カシオネは子供欲しいの?」
「…いや、お前は光の者だ。できにくい。諦めているさ」
と口付けしてくる。口付けをしていると二組の男女が扉を開く。
「おっと先客がいたぜ。それも御先輩様だ。見せろよ教室でもできると豪語したって話だよなぁ」
とクスクス笑う。カシオネが
「見て楽しむもんでもないがな」
と言うと
「じゃあミラーの言ったのは嘘かよ。見せるまで動かないぜ」
と四人でクスクスまた笑う。
「いいさ。見られるのは嫌いじゃない。お前達こそ最後まで見られやしないだろうしな。ミラー立て」
ミラーは立つ。口づけを濃厚にしてやる。それだけで足ががくがく震えてる。立ったまま愛撫されつづけ何度も腰が砕けそうになるのを何度でも立たされる。片足を肩に持ち上げミラーがカシオネに体重を任せ少し持ち上げられると蜜部を愛撫される。押しころしていた声があふれ出す。何度もいくその姿をみた四人は息を飲む。
「よつんばいになれミラー」
と言うと、自分も膝をつき、そして挿入した。後ろから激しく突かれるのに喘ぎがもれるミラー。何度もいきかけるのにその度に緩んでいけない。腰を振りはじめるミラーに限界を感じだカシオネは最後に向けて腰をうごかす。ミラーの体が感じすぎてビクンっとなる瞬間、カシオネも中に放っていた。
「服を着ろミラー。でるぞ」
白い生地でしたたり落ちる愛液をふきあげる。その生地には血が染みこんでいる。着替えながら
「その生地の血はもしかして最初の?」
「ああ、お前をふきあげるのには、この生地しか使ってないからな」
そう言うと二人は四人の邪魔をしないようにそっと部屋を出た。




九年生にもなるとカシオネへの交際を申し込む先輩がまた増えてきた。カシオネは大人の体に向けて急成長していた。背も伸びて男らしい筋肉がつき、あそこも大きくりっぱになっていってた。ミラーにはきつすぎるくらいだ。カシオネはそっけなく、時には意地悪に断るが、肉体関係だけでもいいという先輩もいれば、ミラー以上の人形になれるという先輩まででてきた。ミラーに聞く。
「俺が他の女を抱いても我慢できるか?耐えれるか?」
「たぶん耐えれはするけど嬉しくはない…」
「そういうことだ」
と言うと、濃厚な口付けをミラーにするカシオネ。それでも食い下がる人間はその場で服を脱がしだす。大抵の人は下着に手をかけたとたんに嫌がったり、泣き出す。学習室には男女含めて20人近い目があるからだ。だがたまに見られるのも平気な子もいる。そうするとカシオネは
「ふむ」
と考えて体を縛りだしてみたり、針を持ち出してみたりするのだった。それで他の男を呼んで
「味見してみろよ」
と言う。大抵の女はこれで逃げ出すのだが…
「じゃあ、その彼女にやらせなさいよ。できたら私も受けて立つわ」
「もうその答えが不正解だ。俺の人形になれと言ってるんだ。他の男を受け入れられる時点で興味ない。ミラーにはそんな真似させないよ。俺が命令すれば嫌とは言わないが、唇ひとつ触れられた地点で狂っちまう。魔法が暴走するぞ。死者が出る。正真正銘の俺だけのものなんだよミラーは。誰にもかなわない。だから他の女には興味ない」
「嫌、カシオネ、他の人だけは許して」
と震えて訴えるミラー。
「わかってる。どんなことがあっても、他の男に味見なんてさせないよ」
「俺はどうなるんだよ。その気だったのに」
と男。
「悪い強姦はしたくないだろう。引いてくれ」
しぶしぶ引く男。内心まずい女が来たなとカシオネは思っていた。こういう奴は報復してくる。
「ミラー、俺の側を離れるな」
「う…ん」




「外で待ってるから早く済ませろ」
「こんなところまでついて来なくても」
とミラー…トイレである。しかも女の子の真っ最中だった…正直、恥ずかしい。個室に入ろうとすると口を押さえられる。
「んーんーっんー!」
「確かめようと思ってね。自分の女は唇ひとつ許さない?馬鹿げた妄想もいいとこだわ。味見は先に貴方がされなきゃ割があわないと思わない?でてきていいわよ皆」
女が四人、そして味見し損ねた男が一人でてきた。一人は口を押さえ四人で床にミラーを拘束する。男がのしかかり…ミラーは思った以上の力で拘束を逃れる。
「カシオネ!」
逃がすまいと男が胸をわしづかみし
「いやーっ!」
とミラーの声とともに黄色い光が破裂する。六人は吹き飛ばされ、光に飲み込まれようとする瞬間。
「光よ術力をできる限り弱めよ」
カシオネの声と一緒に抱きこまれるミラー。六人は重症を負い、ミラーはほうけてしまった。反応を全くしめさないミラー。治癒を受けた六人は
「本当になるなんて思わないじゃない。誇張しすぎてるだけだと思ったのよ。第一唇ひとつ触ってないわ」
と主張する女。男は
「逃がすまいと思って胸をわしづかみにした」
という。
「たったそれだけでしょう?」
「たったそれだけが危険だから側から離さなかった。お前らの傷は自業自得だ。俺の魔法が間に合わなきゃ死んでた」
「だから俺だけのものだと言っていたのに、それさえも信じない奴は沢山いる。側を離れられない理由の一つだ。また顔を見せてみろ今度は俺が殺す」
「カシオネ、言葉には気をつけなさい。ミラーの状態が状態だけに、気が立つのは仕方ないことだけれど」
と医務室の先生。
「俺はミラーを人殺しにしたくなかったから魔法を弱めただけだ。これが学校じゃなかったら止めてなかった!自制もしてない!」
「カシオネ…」
「ともかく三日ほど様子を見る。その間の出来事は見なかったことにしてくれ、先生」
「…わかったわ、私は何も見ない聞かない言わないを守る」




食事は全く食べる意思がない。そもそも焦点があってない。口移しで水分系のものだけでも摂らせる。喉は動いてる。死には向かってない。大胆にも医務室でミラーを抱く。胸を触ると拒絶して力が暴発する。それを
「闇よ、光を消せ」
で消滅させると、ほとんど無理やり抱いた。その間は焦点があってる。だけど誰に抱かれてるか、わからないみたいだ。女の子の最中もあってシーツなどは赤く染まり、カシオネ自身も寮の個室の風呂を使って体を洗い流した。血の匂いがあれの匂いと一緒に落ちていく。三日目、薬をもってカシオネはくる。口付けをして胸を触ると抵抗がなかった。顔を見ると泣いている。
「ミラー戻ってきたか?」
「私…私」
と抱きつく。
「大丈夫だから、ちょっと心に傷が残っただけだよ。俺が癒すから大丈夫。今日戻らなかったら薬に頼ろうかと思ってたが…よかった。本当によかった」
「薬?」
「今は知らなくていい。飲ませたくない薬だから。ここ医務室だから」
そういうと服を着せなおし、自分の服も調える。そして口付けだけをした。ミラーが舌を求めてくる。珍しいことだが、カシオネはミラーが落ち着くまで口付けをやめなかった。それだけで押し倒して挿入したくなるのだが、カシオネは耐えた。




食堂で
「三日ぶりだから、良くかんで食べろよ」
と席に着く二人。ガタガタカダと数人が立ち上がり円形の空白ができる。まるで自分が入学したときみたいだ。フォレストの名に恐怖してカシオネは遠巻きにされた。今度は今回のことが既に噂になったのだろう。六人も死にかければその噂がたつのも早い。自分たちが医務室からほとんどでなかった間にいいように言いまわしされたことも容易に予測できる。カシオネをというよりミラーを恐れているのだろうということも。ミラーは黙々と一生懸命食べている。気付かないわけもないだろうが、自分の本質をなんとなく体で感じ取るのだろう。ミラーの後悔はカシオネには向けられても周りにはむけられなかった。平気な顔をして授業を受ける。最初の二、三日こそ、ざわめきがあったが後は日常に戻っていった。




10年生になるとさすがに魅力的な男性も女性も増えてきてあっちこっちで噂がたったり、独房に入れられたり、避妊に無頓着で、もしくは無知で堕胎薬を必要とする者も居たが、学校側は見回りを強化したりはしなかった。先生には数の限りがあり、休みなしに働けというのも無理だったので当然といえば当然の結果だった。通りがかりに声でも聞こえればそれはそれで取り締まったが…




土曜の晴れた日、小屋でミラーは胸をさらけだしてカシオネに身を預けていた。カシオネは胸に針を刺しては抜いていき筆で墨を塗りこんでは又針を刺す。ミラーの位置からだと視線を下げてもちょっと何を描いてるかもわからない。わかるのは人間の知識として刺青の一種をされているのだろうということだ。
「結構痛いのだけど」
「そりゃ針も太いし差し込んでる深さも結構あるから」
とカシオネは真面目に言う。
「何描いてるの」
と聞くと
「カシオネ」
と言う。
「カシオネって鏡もなく自分の顔かけるの?器用だね」
「剣だよ。錬金術でできた魔剣。1000人の人を殺し100人の人間を助けた曰くつきの魔剣の名がカシオネ。俺の名だ。剣の存在、そのあり方については賛否両論だけどな」
「何を殺したの?何を助けたの?」
「殺したのは王族、貴族。守ったのは魔法使いの一族。魔法使いの子孫達と言われている。だけど王族、貴族を殺さなきゃ、もっと人間界と豊かな取引ができて、今みたいな時遅れた魔法界はできなかったという者もいる」
「痛みの強さが変わった?」
「針の大きさを変えた」
「それでか」
夕刻、できたといわれる。早かったねというと。錬金術ほど難しくはないと言って夕食に帰った。鏡に映してみる、綺麗な一本の剣が描かれていた。でも、これ胸が大きかったら、歪むわよねとちょっと笑うミラーだった。




学習室に行く。
「カシオネありがとう」
と隠した胸を触る。
「俺がお前を苛めたくなっただけだ。悲鳴一つあげなかったがな」
「私にとってはカシオネとともに魔法界で生きていく刻印だわ…」
「まだ、痛むか?」
「実はとても」
「治癒魔法をかけとけ」
「いいわ別に」
カシオネがミラーを見る。
「痛みを楽しんでるのか?」
「愛おしさを楽しんでる」
カシオネが口付けをする。なかなか離してくれなかった。
「あふ。はぁ。はぁ」
「お前にはこっちのが効くな。もう欲しくてたまらないだろう?」
「それはカシオネもでしょう?」
「ああ、そうだな。最近は口付けだけで、体が燃え上がる。自制するのが大変だ。早く卒業したいな」
「後二年よすぐに卒業だわ」
「何事もなく二年過ぎてほしいものだな」




11年にして攻撃魔法の授業で始めてミラーとカシオネは対峙した。今まで先生が意図的にさけていたものだったが、11年から生徒の希望が考慮される。だんとつトップで見たい希望がだされたのがこの組だった。まわりはいちゃいちゃカップルがどんな魔法を繰り広げるか興味を持ったが、攻撃魔法の先生は毎週高確率で決闘場を二人が借りてるのを知っている。もちろん借りた教室で本当に決闘しているかはわからなかったが、先生としては暴走の二文字が怖かった。一方、隣りあわせでその結果を聞いた二人は傾けた首を動かさず
「どうすればいい?手加減する?」
とミラー。
「見たいって言うんだから見させてやればいい。全力で来い」
「う…ん」
二人は口付けを軽く交わしてから決闘台に登る。稲妻を先にかけるミラー。これは雷の持続性のものだ。しかも直接人間に落ちるよう設定してある。カシオネは削除呪文をかけるが消えない。最近のミラーの精神力は上がっていてカシオネの精神力を持ってしても消えないときがある。錬金術に込められる精神力を発揮できれば対向できるのだが…消えないものは仕方ない。土の防御結界を三重にかける。動けないが、術をつかうだけならこれで充分、土が避雷針にもなる。カシオネは風の刃嵐を展開する。風の結界を張るが精神力は互角。ミラーの結界は破れ体が刻まれていく。台から吹き飛ばされるのを耐え、杖をふる。ミラーは次の瞬間消えた。剣を生み出す呪文が聞こえて…カシオネも倍掛けで剣をだし振り返る。土の結界を潰し見事にカシオネに向かうミラーだったが、同じ剣に阻まれる。正確にはミラーは細身の鋭さを付加した剣、カシオネは大剣に防御力を付加した剣だ。稲妻の効力も消えていた。一気に剣を振り上げてミラーの剣を吹き飛ばすと、ミラーはまた消えた。振り返って前に走っていくカシオネ。ミラーは現れると同時に守護結界を二重に張りながら多重呪文で石のつぶての雨を降らす。カシオネは当たることを構わず、剣で結界を刺し貫きミラーの左脇も同時に貫いた。そのまま剣を離すと重たさに耐えかねてミラーは膝をついた。テンカウントを待たずに上がってくる先生。
「貴方は自分の恋人を殺す気ですか?」
「殺すきなら心臓を貫いてる」
剣を持ち一気に引き抜くと血があふれ出す。その中に手を突っ込む。
「あうっ」
顔を痛みでしかめるミラー。
「この顔がいい。だからいたぶるのはやめられない」
と言うと治癒魔法をかけだすカシオネ。それで先生も我に返って治癒魔法をかけはじめる。
「医務室に行きましょう」
と先生が言うと
「大丈夫です。珍しいことでもないので。それよりカシオネの側を離れるほうが不安」
カシオネは手についた血を舐めている。決闘は本来、勝者の者を倒すべく次の者が立候補したり先生が推薦するのだが、あまりな戦いぶりに立候補者はなく、先生も推薦するのを迷っていると
「大丈夫です。カシオネは手加減を知っています。それでも不安なら私が相手してもいいですけど」
それでも立候補者は現れなかった。正直、先生が想像するよりも高レベルで命がけの戦いを模試してるのが誰の目にも明らかだったし、その時に生徒が思っていたのは怖い、当たりたくないの二言葉だった。仕方なく二人は退場し、寄り添うように同じ場所にもどった。二組目の見てみたい希望者の決闘に入った。二人の決闘を見た後では子供の遊びのような決闘に見えた。二人は力の暴走などしなくても充分な力を兼ね備えていることをこの時先生も生徒も思い知った。そしてカシオネの異常性にも、ミラーの異常性にも噂じゃなく本当だと気付いたわけである。その後の決闘の授業がどうなったかと言えば最初こそ怖がっていたものの、他の者にはカシオネもミラーも今まで手加減してきたことを思い出し、結局授業に支障がでたのはそれからの二、三回程度で済んだ。




攻撃魔法の先生が議題としてこの決闘を出したが、今までの問題発生、原因が全てカシオネに交際を申し込むか、ミラーになんらかの意図を持って近寄るかで、おきていることなので触らぬ神にではないが、結局二人には干渉しない事で話はついた。そしてなにごともなく12年生になっていく。




転生編 3-4


http://sns.atgames.jp/diary/26030057



転生編 3-6


http://sns.atgames.jp/diary/26064078


http://d.hatena.ne.jp/MitamaToki/20140420