勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて78 カルラナ11

10年生の初めての日以来。ラルダは休みの度にカルラナを抱くようになった。考えてみれば当たり前だった。カルラナが壊れてから一年半以上禁欲していたのだ。二年の頃から性に関心を持ち、ずっと関わってきたのだから結ばれて他の人を受け入れなければ、その受け皿にカルラナがなるのは当たり前だった。カルラナは人がいなくてもあえぎやうめきを押し殺す。声は出て普通なのだが、それをはしたないと感じているのか、ほとんどの声を耐えてみせる。楽なことではない。だがラルダはそんなカルラナの行為をしばらく楽しんでいた。一緒にいく頂点ですら口付けで声を封じる。結果体の心拍数が上がり、まるで全身が心臓のようになる。外にまで聞こえてくるその音さへ楽しんでいるようだった。




「あえぐ声を聞かせて。いくときの感じるときの声。ここでは我慢する必要もない。お前の卑猥な声が聞きたい」
そういわれたのは11年生を三ヶ月過ぎた頃だ。
「でも」
と真っ赤になるカルラナ。
「俺のためだけに鳴くカナリアだ。鳴いて見せろよ」
そう言って抱き始めるが急にどうできるものでもない。
「体の力をまず抜け、後は自然に任せるんだ感じるままに」
「……」
「感じるままにだ」
首筋をたどるラルダ。
「感じないか?」
「感じてる、でも…」
「なら、あがかずにはいられないところを遊んでやる」
いきなり両足を肩にかけると始めての所をいじりだす。
「ひっ、ああ、あああっ、あっ、あっ、あっ、あ、ああっ狂いそう…」
「実際、狂わせられるから遠慮してやった。我慢しているみたいだったからな」
そういうとまたいじりだす。女の一番敏感な部分だ。あえぐなという方が無理だろう。
「ああああっ、許してもう駄目。あーっひっく、ああっ!」




「ラルダ…」
ラルダは葉巻を吸っていた。一瞬なのか長いことなのか記憶が飛んでいる
「いきすぎて気を失ってた。いじめすぎたな。でも、これで声はだせるだろう」
葉巻の苦い味がするが、遠慮なく入ってくる口付け。胸をもまれ乳首をつままれ首筋に唇が流れる
「あっ、あん、あー、ああ」
「いい声だ」
そのまま乳首を吸われる。指は大切な場所に忍ばれ愛液が溢れ出す。そのまま挿入され、カルラナは始めてあえぎ通しだった。今まで我慢してて力が入っていた。それを抜くだけで感度がちがう。まるで全身が性器官になった気分だ。自分がこんなに感じやすいとは思いもよらないカルラナだった。抱かれ終わると熱のこもった体でラルダに口付けをする。長く長く執拗に、こんな経験は初めてだった。自分では気付かずにカルラナはラルダを求めていた。それに気付いたラルダが
「俺が欲しいのか?」
と聞かれて戸惑うカルラナ。ラルダは笑って
「そういうときは素直に欲しいといえばいい」
と押し倒した。そしてもう一度抱かれてから昼食に向かった。




「精神を集中しろ術が甘い!」
「風よ結界を破る嵐を巻き起こせ」
だがラルダの結界は重層もしてないのにびくともしない。こっちは10層にしているのにピキピキ割れていく。精神を集中して結界を張りなおす。氷の槍が飛んで来る。その中、炎に燃えた石つぶてを相手に投げつける。石ははじかれ火は消え、氷の槍が結界を付きぬける。体中を凍傷して膝まずいた。ラルダがやってくる。炎の癒しを使う。とても珍しく見入ってしまう。癒しといえば水か土だ。光と闇以外は癒しの能力があるというが使われるのを見るのは始めてだった。
「ラルダは休みに入ると術の訓練してるの?」
「そうだ」
「強くなるわけよね。勝てない」
「当たり前だ。カルラナだって弱くない。これでほとんどの時間を錬金術に使ってるんだ。一種の才能だよ」
「親の血筋かなぁ、白魔術師だった話はしたっけ?」
「どだったかな。覚えてないが白魔術師はもういない。白い魔術師たちなら騎士団にいるけどな」
「それ、なんか因果関係あるの?」
「白魔術師で引き抜かれたものがZZ部隊、俗称白い魔術師たちだよ」
「ふーん」
「お前の親も生きていれば居たかもだぜ」
「死んでるもの。仮定の話はどうでもいいわ。それより私、ラルダの家に入れそう?来年は12年生。そろそろ残るか、出るか決めなきゃなんだよね」
「今、工房を作らせている。入ってほしい。強さはともかく俺の伴侶として…そしてお前は決して弱くは無い」
「…本当に工房を作ってくれているんだ…ラルダって長の何?」
「甥っ子にあたるかな。ただし強さじゃ一族でずば抜けてる家系だ。俺が死ねば途絶えるけどさ」
「そっか…私って特別待遇なのもしかして?」
「とも言える。光の者で、しかも俺の伴侶だ。俺は実力じゃ将来トップにおどりでると言われてるから。その上お前はフォレストの出だ」




カタルナがチケと話している。二人の関係はどこまで進んでいるのだろう?全くの野次馬根性だがそんなことを思いながら見ていると
「おまえでもわからないんだな」
「…人の心を読んだわね」
と睨みつける。
「その程度なら杖もいらないからな」
とラルダが笑う。チケが近づいてきて
「何、にらみ合ってる。大事な薬を持ってきたのに」
「大事な薬?」
ラルダは黙って聞いているつもりだったが、声を先にかけられたのはラルダだった。
「ラルダ、二度とカルラナを裏切らないで欲しい。誓えるか」
「…どんなことも保障はできない。が、何故だ。今の扱いに不満か?」
「不満どころか以前にもましてカルラナはお前に依存している。だから聞いたんだ」
「俺も懲りたし、愛している」
とラルダ。それだけ確認するとチケは
「カルラナ、カタルナから受け取った薬だ飲め。皮膚細胞の修復薬だ首と手の傷が消える。今まではまたいつ傷が増えるかわからなかったから飲ませられなかったんだが…知ってると思うが、この薬は…」
「飲むごとに効果が薄くなるのでしょう。次に死ぬときは失敗しないから、きっと大丈夫よ」
とカルラナは飲み干す。チケが
「そういうのを大丈夫とはいわないんだがな」
とため息をつく。
「じゃあ今が生まれて一番幸せな時間だから大丈夫よ」
「お前幸せそうに笑うようになったな。生まれて始めてみた」
「だって親から引き離され、錬金術だけを頼りに生きてきたもの。楽しいことはあっても幸せだったことはないわ」
「フォレストを出るんだな。お前にはその方が幸せそうだ」
「うん。そのつもり」
頭をぽんぽんと叩かれ
「そっか」
と言ってチケは自分の席に座った。
「幸せか」
「幸せよ」
二人は触れるような口付けをして自分たちの席についた。カルラナの体の傷は完全に消えていた。




「ほら、はしれ!遅い。もっと早く」
カルラナは牧場を何週も走ってた。ほぼ半日になる。走ることはあっても半日も全速力で走ったことは無い。気が遠くなり倒れた。気づいたのは医務室だった。
「全く何を思って半日も走らせたんだか、全速力で走れば馬の心臓も破裂するわ。まさにそんなところだったのよ」
「気を失った時点で応急処置の魔法はかけた」
とムスッとするラルダ。
「それにしたって無茶があるわ。体力は徐々にあげていくものよ」
と医務室の先生。
「先生。私にも過信があったわ。半日くらい走れると思ったのだけど…」
とカルラナ
「確かにカルラナは運動神経は良かったと記憶するわ。でも体育の授業は三年まで、その後はまともに体を使ってないのよ。しかも貴方は一年半、生きてるのも奇跡な状態で学校に居たわ。いきなりは無理よ」
と先生
「困ったな」
「気晴らしに泳ぎにでもいくか」
「いいかもしれないね」
「今倒れたばかりなのよ。安静にしてなきゃ」
「先生、卒業したら安静にしろと言ってくれる人はいなくなるわ」
「カルラナ、一体どんな人生を送ろうとしてるの?」
「分からない…でもそんな予感がする」




二人は泳ぎに出た。しばらく自由に泳ぐ。ラルダに誘われて水中に潜った。水泡草をとる。そのまま水中を泳ぐ。途中すばらしい光景のところがある。とてもおおきな湖だ。そこで水泡草を取られたかと思うとラルダに口付けされる。当然酸素を失い、体は酸素を求める。もう駄目だと思い、水を飲み込む覚悟をしたときは水面だった。どうやら、口付けをしながら上昇していたみたいだ。
「酸素がなくとも、ある程度およげるようにしとけ」
「これも訓練の一環?」
「半分な」
「半分は苛め」
と睨むカルラナ。そのまま杖を取り出し
「水よ濁流となって一人を飲みつくせ」
水が消えた後には飲み込まれるどころか涼しい顔をしたラルダが水の上に浮かんでいた。
「手を寄越せ」
とラルダ。一瞬躊躇したが手をとるカルラナ。そのまま水の上に持ち上げられた。
「ここらには怒らすと怖い魚も居る。あまり大きな魔法は使うな」
そのまま少し浮上して陸まで帰った。
「下着、脱げよ。全裸をみせてくれ」
「同じこと言われたのはいつだったかな」
「二年生の終わりだよ」
「抱くときと違って見えるの?」
といいながら全裸でぐるりと回るカルラナ。
「髪の毛、上げてもう一回」
とラルダ。言われた通りにするカルラナ。
「やっぱり、そそるな」
そう言って後ろの首筋を愛撫されはじめる。
「ラルダ…」
「あの時はお前の忠誠が欲しかった。今はお前自体が欲しい。成長した証拠だ俺もお前も…」
「体を求めるだけが大人の証拠にはならないわ。むしろ幼稚よ」
「じゃあ、本気を知りたいか?大地よ剣を現せ。利き手をかせカルラナ」
手を差し出すカルラナ。手の平をざっくり切られる。
「つっ。何のつも…」
ラルダも自分の手の平をざっくり切る。
「ラルダ?」
「俺の手と合わせて」
と傷ついた手と手を握り締めること数分。
「そろそろいいかな。心よ血の誓いを交わす、魂よ一つになれ。カルラナ流れる血を飲んで」
そう言うとしたたる血を先に飲むラルダ。真似て血を飲むカルラナ。
「傷は浅くないが魔法で治すなよ。傷薬くらいあるだろう。それで治せ。せっかくの魔法がとけちまうからさ」
「一体どんな魔法かけたの…」
「魂を一つに結んだ。どちらが死んでも生きてはいけない。自然と衰弱死する」
「そ、そんな勝手な魔法、相談もなしにかけないでよ!やってることわかってるの」
「充分、分かってるつもりだ。お前の命を俺にくれ。カルラナ…」
「……いいのね。本当に?傷の治る今なら間に合うのよ?」
「俺に迷いはない」
カルラナがラルダの胸にもたれる。
「あんた馬鹿よ。こんな表現の仕方しか知らないなんて」
「愛してる。もうこの言葉に偽りがないことだけはわかるだろう」
「うん」




包帯を巻いているカルラナをみてチケが包帯をはずす。
「すごい傷じゃないか治癒魔法使った方が早い」
とチケ。
「駄目なの。呪いをかけたから自然に治るの待ちたいの」
ラルダの方をみて…
「ラルダとか。まじないってのはのろいと変わらないんだぞ」
「充分わかってるわ」
それが幸せそうだったのでチケはなにも言わずに席に着いた。




11年生が終わろうとしていた





















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