勝手がお好き!!~徒然満載

ゲーム依存症の創作好き

魔法使いになりたくて 47

「お前の中に腕沈めていい?」
カシオネが聞く。
「それって…怖いよ…」
とミラー。カシオネとの間では対外の体位を経験していたが、それでも思い切った提案だった。
「子供の生まれてくるところだから入らないわけじゃない」
「わかるけど、少しだけ時間頂戴」
その少しだけの時間の間をカシオネは舌で女の一番敏感な場所をもてあそんでいた。
「カ、カシオネ。感じすぎて考えられない」
「考えるだけ怖くなるぞ…」
「だよね…いいよ…カシオネが望むなら」
カシオネが指を一本ずつ丁寧に沈めていく。
五本の指が入った。手のひらのこうが入っていくから辛いよ」
「うん」
カシオネは静かに自分の手をゆっくりと沈めていく。ミラーは少なからずの痛みに耐えた。それこそ魔法でざっくりやられたり、心臓を狙われる痛みに比べるとたいしたことはない。ないのだが、入ってきているのがカシオネの手だと思うと今までにない感覚で痛みをとらえなければならなかった。しばらく膣が広がる感覚を感じながら耐えてると、手が子宮に当たったのがわかる。奥まで達したのだ。少しだけ強く押される。
「カシオネ、もっと弱く触って…それ子宮…」
「ああ、ここに俺たちの子が宿るんだな。どうしたら宿る…いっそ俺の属性も光なら諦めがつくものを」
「カシオネ…ごめんね」
「ミラーのせいじゃないさ。少し上下運動をするよ」
痛みと犯されてる感覚とカシオネへの愛しさにミラーは熱くなり、ほどなく頂点に達した。




「ごめん…無理させた…触ってみたかったんだ」
「うん…わかる」
ミラーはカシオネの苦悩を感じてた。ミラーが自分だけいった変わりに奉仕しようとすると押し倒された。
「一緒がいい。俺を感じて」
「うん…」
二人は激しく抱き合っていた。丁度、二人が頂点に達して息が整った頃、扉を叩く音がした。




慌ててガウンだけ着て、扉を開けるミラー。
「お楽しみ中だった?ごめん。治癒を手伝ってドルドネが死にそうなの!!」とサンドラ
二人は医務室にガウンのまま走る。急いでサンドラと一緒に治癒の魔法をかける。
「大地よ一人の魂をその人の中に留めよ」
とミラーがかけると。二人は
『水よ魂の癒しとなって包み込め』
と唱える。
「アレクシラ先生がいれば、もっと簡単なのに」
「今日は魔法庁だろ。俺たちでどうにかするしかない。アガルスとテルジスも呼べないか?」
「二人とも外出中よ」
「なら、三人でどうにかするしかない。治癒玉を持ってくるまで二人で頑張ってくれ」
そういうとカシオネは走って錬金術室に向かった。
「大地よ一人の魂をその人の中に留めよ」
繰り返すミラー。サンドラも繰り返す。治癒を固定したいが死神の手の方が早くて固定できない二人は、ただひたすらに術を繰り返した。そこへ治癒玉を持ったカシオネが来る。割るとどんどんと顔色が良くなっていった。サンドラが
「これなら大丈夫そうね。治癒かけとくから二人は服を着てきて」




服を着て医務室に行く。三人で
『水よ魂の癒しとなって包み込め』
と重複呪文をかける。しばらくするとドルドネの目が開いた。起きようとするのをカシオネが止める。
「心臓を直接やられてる。まだ動かない方がいい」
「まだこれほどの黒魔術師が居たなんて」
「黒魔術師じゃない…属性は光だった…」
三人は絶句した。
「光の属性を持つ魔術師?学校では光も闇も習わないのに」
「ミラーは白魔術師になる前から光を使った。独学の可能性もある」
「でも独学で心臓まで切り刻める?」




エンジェルが見舞いにくる。話を聞いて少し考え込む。
「一人だけ心当たりがあるわ…マシャルには双子の弟がいたわ。属性はやはり光。だけど闇を憎む憎しみに負けて黒魔術師はおろか白魔術師に居る闇の使い手も殺そうとして追放された…しばらくは闘争が続いたけど黒魔術師が増えて
そっちへ憎しみを向けに行って…死んだと思っていたのだけど…」
「もしくは、同じような事を考える人間がまだいたか…何にしろ今頃になって何故だよね」
とサンドラ。
「ミラー、しばらくドルドネにつけ」
とカシオネ。
「いいえ、むしろ動かないで。闇の術者はドルドネとサタンデだけじゃないわ。二人とも強いほうよ。ただの研究者なら五人を超える。彼らは狙われたらひとたまりもないわ」
とエンジェル。
「だろうな」
「でも何もせずに出方を待つだけ?」
「私たちが動くわ。マシャルの兄弟なら取り残してた私達の責任ですもの」
「闇と光は弱者であり強者だ。ようするに対等だ。精神負けしたほうがつぶれる。今度は簡単にやられたりしないさ」
「でもあんたはしばらく医務室よ」
ともかくサンドラたちはエンジェルの動きを見守ることしか許されなかった。




ドルドネは一週間ほどで復活した。
「ミラーといい、ドルドネといい、なんでそんなにタフなんだ」
とアガルス。
「そりゃ、魔法で完治してるもの。自然回復の異常がないか見るだけの期間あれば充分だから」
「でもドルドネは心臓をやられてる。本当はもう少し寝ていたほうがいいんだぞ」
「退屈でかなわん。チユネにも心配かけたし、早く元気なところを証明したいのさ。それよりカグヤグループが魔法庁に連勤してサタンデは白魔術師施設だし六人で、そのマシャルの弟とかいうの探し歩いてるのだろう?大丈夫なのかエンジェルグループは?」
「私達に今できることは白魔術師施設の人間を守りきることよ」
とサンドラ
「ドルドネ、お前も含めてな」
「光は光が効効きにくい。私も五属性の感覚取り戻しとかなきゃ」
「大丈夫だよ。俺たちには訓練した六人掛け魔法がある」
「何が何でも守り抜くわよ」




そしてエンジェルたちが帰ってきた。
「もう、後手後手で捕まらない。被害は大きくなってくし…少し皆を休ませてあげて」
とエンジェル。エンジェルも疲労の顔色が強い。カシオネは疲労回復の薬をそれぞれに飲ませ、各自の部屋で休んでいた。薬には睡眠効果もあった。その時、彼は現れた。警戒音があちこちで鳴り響く。戦えない者を一つの部屋に集めて
ミラーが守護の魔法をかける。ミラーは勉強を怠らず、守護の魔法をかけれるようになっていたのだ。それはマシャルが自分の家にかけてくれた魔法だ。守護の魔法がかけられてると知ると、速攻狙いを変えてミラーたちの元へくる。サタンデが
「やはりお前かマシュズ…今までどうしてたんだ?」
「あんたらを倒せるように修行していた。時間がかかりすぎたがな」
と答えるマシュズ。
「今度は油断しない。簡単に倒されると思うな」
とドルドネ。そして詠唱に入る。
「光よ闇の呪文を使いし者の心臓を切り刻め」
『闇よ一人の心臓を破壊せよ』
サタンデがドルドネの呪文に合わせてきた。重複呪文になる。そして後ろから
『大地よ二人に最大の加護と癒しを』
これはサンドラたちがかけた重複呪文だ。だが気合でマシュズは魔法を乗り切り
「風よ周りのもの全てを切り刻め」
と唱える。凄い風に転倒したり、踏ん張るのが精一杯の全員。切り傷も増えていく。マシャルの兄弟ならこれくらいの魔力はあって当然だったとミラーが慌てて立ち上がり、打消し呪文を唱えようとすると
「風よ吹き荒れることを止め一人の心臓を切り刻め」
打ち消したまま攻撃に転じる高等呪文…誰が!
みんながそちらを向く。花束を抱えた…
『騎士団長!!』
マシュズ以外の声が重なる。騎士団長の魔法に耐えたマシュズは
「光よ周りのものの心臓を切り刻め」
と唱える。
「水よ治癒なる力で味方の心臓を包め」
とミラー。
「大地よ大剣となりて現れよ」
と騎士団長。それを片手で振り回したかと思うと狙いたがわず、マシュズの心臓を貫いていた。
「姉の元に行って説教でも受けて来い」
と騎士団長。とんできた血さへ避けて、返り血もあびてない。マシュズは崩れるように倒れていった。
「ところで俺にはトワイヤルという名があるんだが…」
と騎士団長は言った。
「強い。魔術師最高機関であるという白魔術師の私達なんか手にも出ないほど強い」
とサンドラ。
「白魔術師施設が魔術師最高機関とされるのは自立施設で最強の魔法使い集団だからだ。俺たちは国家機関いわば役人。ガーディアンもだな。強さもピンからキリまでだ。俺は隊長だ。強くて当たり前。例えば白魔術師施設が暴走したら止めるのは騎士団なんだからな」
「俺たちのほうが弱いのか」
とテルジス。
「そうは言わん。実際演習をした時はお前らの倍の数でかなわなかったし、俺たちもエンジェルたちに負けている」
「でも、重複魔法は使わなかった」
「ああ、そうだな。集団戦闘なら負ける気はしないな。それでもうちの弱いのと、そっちの戦えないという研究者戦わせて見ろ。天と地の差があるほど強さが違う。白魔術師施設では使えなくても、一応二年カリキュラムが済んでなければ白魔術師は名乗れないからな」
「あ…そっか。あの馬鹿みたいな体力作りと容赦ない実技は通過してるから白魔術師なんだ」
「これからエンジェルの部屋に行くのだろう。すまないが俺たちも一緒させてくれ」
とサタンデ。
「本当に、それは無粋な発言だな」
と少しだけトワイヤルが顔をしかめた。




マシュズの遺体を霊安室に運ぶとその足で八人はエンジェルの元に向かった。戸を叩くでてこない
「寝てるかもしれない。薬を飲ませたし」
そっか、と言うとおもむろに鍵をもちだし開けるトワイヤル。
「合鍵なんてもってるの」
と不審がるサンドラ。
「付き合いが長いからな」
「恋人同士なの?」
「ああ、だが微妙だがな」
といいながら入っていく。入っていくと、皆が入ってくるのも気にせず眠っているエンジェルに口付けをするトワイヤル。
「ここにも人目を気にしない人がいたわ」
と呆れるサンドラ。だが軽い口付けでエンジェルは目をあける。
「トワイヤル、休みだったの」
とエンジェル。
「まぁな、その前に自分の仕事をすませてくれ」
そこでエンジェルはサタンデたちのいることに気がついた。
「サタンデがかいつまんで話す」
「そう、よく無事でいてくれたわ。トワイヤルも手間、かけさせたわね。ありがとう」
「来たついでだ。警戒音の中、茶をすするわけにもいくまい」
「ほら、邪魔だ。でていくぞ」
とうながすサタンデ。
「まって、二人は恋人どうしなんでしょう。どうやってお互い、お互いの仕事を全うしてきたの」
サンドラ。
「制御だな。エンジェルには白魔術師をまとめる使命があったし、若い頃から黒魔術師の掃討に明け暮れてた。俺は俺でいつ死んでもおかしくない騎士団で上りつめたからな。全く抱いたことがないわけじゃない。口づけぐらいはするさ。だけどお互いそこまでだ。仕事の方を優先してきた。それだけだな」
「私は制御なんてできない。子供も生まれてくる。それでもエンジェルの後を継げるの」
「エンジェルグループはね。みんな少なからず自分を犠牲にしてきた者の集まりよ。だけどね、それを次の若者に強いるのはとても辛いし、悲しいことだわ。欲しいものは欲しい。やりたいことはやりたい。自分を捨てないでどこまでやれるか、そしてやっていけるんだぞってことを私は証明してほしい。ほら、私はすっかりおばさんになっちゃったから」
「エンジェルは昔のままだよ?おばさんになんか見えない」
とミラー。カシオネがひっぱる。耳元で
「若返りの魔法があるんだ」
「カシオネ、そう気を使うことでもないわ。貴方達も必要を感じるようになったら教えてあげる。ただ若返るけど寿命と本来の衰えは消えないの。無理は利くけど、後の疲労は半端じゃないわ。覚悟しときなさい」
「そろそろ二人にしてくれないか。俺の休暇は少ないんだ」
「大人気ない」
「仕方ないだろう。大騒ぎの茶会をしに来たわけじゃない」
「おら、出て行くぞ」
とサタンデ。でていくとミラーがなんとなく聞く。
「サタンデさんにもいるの?心の恋人」
「俺はトワイヤルほどできた人間じゃないが…いるよ。恋人は三度妊娠させて三度降ろさせた。俺はひどい男だな。それでも愛してくれてると言ってくれるから不思議だ」
と悲しく笑う。
「…アレクシラ先生?」
「何故そう思う」
とサタンデ。
「笑い方が一緒だったから。犠牲にしてきたものもあるって…」
とミラー。
「お前達は犠牲にするな。グループなんて辞めたら補充すればいい。最強にはなれないかもしれんが、最強を目指した結果が俺たちだ。エンジェルは追いつけと言うかも知れんが俺は追いつかなくてもいいと思ってる。白魔術がそれで少し弱体化しても犠牲の上に成り立つものなんて結構脆いものだからな」
「二人はどうしてるかな?」
とアガルス。
「エンジェルが寝てたからな。きっと一緒に寝てるだろうさ」
とサタンデ。
「それじゃーミラーたちとかわらないじゃない」
とサンドラが笑う。
「サンドラとも変わんないでしょう」
とミラーがむすっとする。
「確かに今の私達は変わらないわね。お腹に子がいるし…でも六歳の頃から一緒に添い寝なんかしてた相手なんていないわよ」
「小さいときは二人じゃなかったわ三人よ。シャルセ懐かしいな異界に飲まれたっきし戻ってこない最初の私の友達」
「最初は俺だろう?汽車の中で知り合ってる」
とカシオネ。
「あっそっか、トランプしたね。数値がかわるふしぎなの」
「それのどこが不思議なのよ」
「サンドラ、今でこそ魔法使いと言えるけど私はただの人間だったのよ」
くすくすとミラーが笑った。そして
「カシオネが魔法使いにしてくれたの」
と言った。








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